#43 DeNA 史上初の3者連続アーチでサヨナラ勝利

By -  公開:  更新:

#43 DeNA 史上初の3者連続アーチでサヨナラ勝利

 

◎2017年8月22日 横浜スタジアム

広島 0 2 0  1 0 1  1 0 0  =5

DeNA 1 0 0  0 0 0  0 1 4X =6

HR(広島)エルドレッド25号 安部2号

(DeNA)嶺井2号 筒香20号 ロペス24号 宮﨑10号

 

「右バッターボックスは宮﨑。第2球を投げました。打ちました! レフトへライナー飛んでいく! 飛んでいく! なおも打球は飛んでいく! どうか? スタンドまで届くか!? ……入った! 入った! 入った! 入った! ホームラン! サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ! 3者連続ホームランでサヨナラ勝ち! 宮﨑、第10号サヨナラホームラン! ヘルメットを放り投げた宮﨑、両足でホームを踏んだ! ホームイン! 水がかけられる! ラミレス監督と抱き合った宮﨑! ベイスターズ、奇跡の3者連続ホームラン・サヨナラ勝ち!」(実況:洗川雄司アナウンサー)

 

野球の勝ち方の中で、観ていていちばん興奮するのはやはり「サヨナラホームランによる勝利」だ。打球がスタンドインすると、バッターは大歓声に包まれながらダイヤモンドを一周。ホームにはチームメイトたちが待ち構え、手荒い祝福をする……今季も何度かそんな劇的なシーンがあったけれど、数ある「サヨナラ弾勝利」の中でもこれは興奮度MAXではないか?「3者連続ホームランで逆転サヨナラ勝ち」というプロ野球史上唯一の快挙をやってのけたのが、2017年8月22日の横浜DeNAベイスターズだった。

 

このときセ・リーグはどんな状況だったかというと、前年王者の広島が首位を走り、2位・阪神が追う展開。3位のDeNAは、4位・巨人に3連敗を喫して2ゲーム差まで詰め寄られ、CS(クライマックスシリーズ)進出に黄信号が灯っていた。次はホームで首位・広島との3連戦。リーグ連覇を目指す強敵を相手に、DeNAは負けられない戦いを挑むことになった。その初戦がこの試合である。

 

広島の先発は野村祐輔。DeNAは初回に1点を先制したものの、巨人に3タテされた悪い流れを引きずっていたのか、以降は野村を打ちあぐねてしまう。投手陣も2回にブラッド・エルドレッドの2ランであっさり逆転を許し、その後も追加点を奪われてDeNAは劣勢に立たされた。8回、嶺井博希のソロアーチで反撃したが、9回を迎えた時点で2-5。そのまま野村に完投を許しそうな雰囲気だった。しかし、ここからドラマが起こる。

 

まずは先頭の2番・柴田竜拓がヒットで出塁。続いて打席に立ったのが、3番で主将の筒香嘉智だった。疲れの見えた野村から、右翼スタンド最上段に特大の2ラン! 球場の上部を取り巻く広告看板を直撃する一発にハマスタは沸き返った。これで1点差。野村はここで降板し、試合はわからなくなった。

 

急きょマウンドに上がった広島のクローザー・今村猛の球を、続く4番、ホセ・ロペスがとらえると、打球はカープファンで赤く染まったレフトスタンドへ! 起死回生の同点アーチを放ったロペスはその瞬間、雄叫びを上げた。その姿をベンチで見ていた主将の筒香は「ロペスは普段、感情をあらわにしない選手。あの姿に奮い立った」という。チームメイトたちに「全員ベンチの外に出て、みんなでロペスを迎えよう!」と促し、これでベイスターズナインの結束はさらに強まった。

 

こうなると、流れは完全にベイスターズのものだ。5番・宮﨑敏郎は、甘く入った今村の2球目を振り抜くと、打球はライナーでそのままレフトスタンドに飛び込み、劇的なサヨナラ弾に! ほんの10分ほど前は敗色濃厚だったチームが、3者連続アーチで一挙に逆転サヨナラ勝ち。プロ野球史上初のとんでもないミラクルを起こしたのである。

 

DeNAのミラクルはまだまだ続く。翌日の2戦目も、1点ビハインドの9回にロペスが2戦連続の同点弾を放って追いつき、延長10回、梶谷隆幸のサヨナラヒットで連勝。さらに3戦目も、劣勢の展開から8回に筒香のタイムリーで同点にすると、9回に倉本寿彦の内野安打でサヨナラ! プロ野球タイ記録の3戦連続サヨナラ勝ちは、球団57年ぶりの快挙だった。

 

CSに3位で進出したDeNAは、ファーストステージで2位・阪神を撃破。ファイナルステージでも、リーグ連覇を果たした広島を破って3位で日本シリーズに進出した。シリーズではソフトバンクに初戦から3連敗を喫したが、第4戦・5戦に連勝。第6戦もソフトバンクをあと一歩のところまで追いつめた。この大善戦は、8月の「3連発でサヨナラ」が間違いなく起点になっていると思う。

 

悔しい思いをした7年後の2024年、再び3位から日本シリーズに進出したDeNAは、パ王者・ソフトバンクと対戦。2連敗からの4連勝でみごと、26年ぶりの日本一と「3位からの下剋上」を果たしてみせた。この年から、7年前のミラクルを知る筒香がチームに戻って来たことも大きな力になった。現在、ヤクルトと激しい3位争いを繰り広げている今季のDeNAは、果たしてどんなミラクルを見せてくれるのだろうか?

 

<チャッピー加藤>

Page top