#48 巨人、江藤智同点満塁弾→二岡智宏サヨナラ弾でV決定

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#48 巨人、江藤智同点満塁弾→二岡智宏サヨナラ弾でV決定

 

◎2000年9月24日 東京ドーム

中日 0 3 0  0 0 1  0 0 0  =4

巨人 0 0 0  0 0 0  0 0 5X =5

HR(中日)中村4号

(巨人)江藤32号 二岡10号

 

「2球目、打ち上げた! 打球はライトへ上がった! ライト後退する! ずっとバック! 二岡のホームランか? 二岡のホームランか? 入った! ホームラン!! 優勝のホームラン! ジャイアンツ優勝です! 5対4、サヨナラホームラン! ジャイアンツ優勝! 4年ぶり29回目のリーグ優勝です! 二岡の10号ホームランは、なんと優勝を決める一発、サヨナラホームラン! 10年前は吉村が決めました。そして10年後は、二岡が決めたサヨナラホームラン! ジャイアンツおめでとう、優勝です!」(実況:胡口和雄アナウンサー)

 

先日、当コラムで1990年9月、巨人・吉村禎章が放った「優勝決定サヨナラ弾」にまつわるエピソードを取り上げたが、それからちょうど10年後の2000年9月、同じ東京ドームでまたしても劇的な一発が飛び出した。

 

20世紀最後のシーズン・2000年の巨人の指揮官は、長嶋茂雄監督だった。1994年、中日との「10.8同率決戦」を制してのリーグVもそうだが、ミスターにはこういうドラマがよく似合う。そういった劇的な結果をつかみ取ってしまう“強運”を持っているのだ。

 

2000年9月24日、優勝マジックを「1」として、4年ぶりのリーグ制覇まであと一歩に迫っていた巨人。この年はシーズン135試合制で、迎えた中日戦は131試合目だった。ホーム最終戦でもあり、「本拠地V」を達成するにはこの試合に勝つしかない状況だったが、中日先発・前田幸長が快調なピッチングを見せ、巨人自慢の「ミレニアム打線」は完全に沈黙。0-4とリードを奪われたまま、9回裏、最後の攻撃を迎えた。

 

「さすがに、きょうの胴上げはないか……」というムードが漂い、さすがの長嶋監督も敗戦を覚悟したという。しかし、野球という競技は本当に最後まで何が起こるかわからない。この回先頭の元木大介がライト前ヒットで出塁すると、高橋由伸も同じくライト前へ。無死一・二塁のピンチに、中日・星野仙一監督はクローザーのエディ・ギャラードを投入した。

 

星野監督は4年前の1996年にも、地元・ナゴヤ球場で長嶋監督の胴上げを許した苦い記憶があり、眼前での胴上げ阻止に向けて万全を期したつもりだった。ところが……「きょうの登板はないだろう」と思っていたのに急きょマウンドに上がったせいか、ギャラードは巨人打線の勢いに飲まれてしまう。続く4番・松井秀喜が「きょうはつなぎに徹した」と三たびライト前に運び、3連打で無死満塁。もし一発が出れば、一気に同点である。

 

次打者のドミンゴ・マルティネスは三振に倒れたが、ここで打席に立ったのが、前年オフに広島からFA移籍した江藤智だった。カープ時代につけていた愛着ある背番号「33」は当時長嶋監督がつけていたが、江藤獲得を熱望していたミスターは背番号を江藤に譲った(現役時代の永久欠番「3」に変更)。

 

この日江藤は、3打数無安打・2三振と振るわなかったが、その恩に報いるためにも、ここで打つしかない。2ボールからの3球目、ギャラードが投じた147キロの真っ直ぐをフルスイングでとらえると、打球は高い弧を描いて左中間スタンドへ。起死回生の同点満塁アーチに、普段は感情をあらわにしない江藤も絶叫して飛び跳ねた。「やったと言うしかない。苦しいシーズンだったけど、努力した甲斐があった」と江藤。

 

さあ、こうなると勝負の流れは完全に巨人のほうへ。興奮がまだ覚めやらぬなか、打席に立ったのは2年目の二岡智宏だった。二岡はその時点で、すでに3本のサヨナラ弾を放っている“持ってる男”。試合後「正直、狙ってました」と語った二岡は、1ストライクからの2球目、外角高めのスライダーを振り抜くと、打球は右翼スタンドへ。クールな二岡もやはり絶叫しながら万歳ポーズでダイヤモンドを一周。二岡の得意な右方向への一発は4年ぶりのV奪回を決める劇的なアーチとなった。

 

敗色濃厚な状況から、打者6人で4点差をひっくり返すという、まさにアッという間の大逆転劇。胴上げはなくなったと思って、Vセレモニーの片付けを始めていた球場スタッフが、大慌てでまた準備を始めた、という話を後で関係者から聞いた。すぐに胴上げが始まり、東京ドームでは初めて宙に舞った長嶋監督。ちなみに、その瞬間の視聴率は33.3%だった。つくづく「3」に縁のある人だ。ミスターは試合後のインタビューでこう語っている。

「この感動は言葉では表せません。野球は生きています」

 

<チャッピー加藤>

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