愛知・名古屋2026アジアパラは18日開幕! ロスパラ切符をかけた戦いも

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アジアパラリンピック委員会(APC)が主催する4年に一度の総合パラスポーツ大会「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」が10月18日から24日まで開催される。18競技502種目に45カ国・地域が参加し、約4,000人のアジアのトップアスリートが競い合う。2年後のロサンゼルス2028パラリンピック競技大会(以下、LA2028大会)の出場権をかけて行われる競技・種目もあり、国内外から関心が寄せられている。ここでは、初めてパラスポーツを観る人にも知ってほしい、注目選手や競技の見どころを紹介する。

日本でアジアパラ競技大会が行われるのは今回が初めて。しかし、アジアパラの前身である「極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会(フェスピック)」は、1975年に大分県で開催されて以降、9回にわたり行われてきた。アジアパラは、こうした長い歴史を受け継ぐ大会でもある。

パラスポーツでは、障がいの種類や程度に応じてクラス分けを行うのが特徴だ。また、競技に合わせて進化した車いすや義足などの用具を使いこなすアスリートの技術も大きな魅力だ。競技のルールやクラスだけでなく、選手それぞれの工夫や戦い方に注目すると、パラスポーツをより深く楽しめる。

車いすテニスの男女単優勝者はロス行き切符獲得

車いすテニスは、今大会の男女シングルスの優勝者にLA2028大会の出場権が与えられる。昨年、最年少生涯ゴールデンスラムを達成した小田凱人(東海理化)、9月の全米オープンを制した上地結衣(三井住友銀行)が連覇を狙う。クアードでは、初出場の宇佐美慧(LINEヤフー)らが表彰台をにらむ。また、射撃でも一部のメダル種目でLA2028大会の出場枠が争われる。

地元・愛知ゆかりの選手も各競技に出場する。陸上男子短距離には、大島健吾(名古屋学院大学AC)、久野竜太朗(AC一宮)、石田駆(トヨタ自動車)らがエントリー。柔道の西村淳未(Sky)、パワーリフティングの大堂秀樹(SMBC日興証券)のほか、杭州大会を制した卓球の八木克勝(電通デジタル)も、地元選手として大会を盛り上げる。

なお、初出場で大きな注目を集めているのが、陸上男子の嶋津雄大(GMOインターネットグループ)。実業団に所属し、今年のニューイヤー駅伝では区間賞を獲得するなど活躍中だが、網膜色素変性症のため視力が低下し、今年からパラ陸上にも取り組んでいる。5000m(T13)では自身が持つ世界記録更新と金メダル獲得を目指す。

団体競技では、車いすバスケットボール男子が連覇をかけてチーム一丸となって戦う。2大会ぶりの実施となる車いすラグビーは、若手中心の日本代表が金メダル候補として臨む。ゴールボールは男女とも杭州大会で銀メダル。男子は悲願の初優勝、女子は2018年ジャカルタ大会以来の頂点を目指す。6カ国が出場するブラインドフットボールは、開会式に先立って16日からスタート。開幕戦で日本が強豪・中国を迎え撃つ。

愛知・名古屋2026アジアパラは18日開幕! ロスパラ切符をかけた戦いも

地元・愛知県出身の小田は「優勝することはもちろん、大会後に何を残せるかが大事。車いすテニスの魅力を広めたい」と語る(写真協力:日本車いすテニス協会)

水泳は記録更新と若手の台頭に注目

水泳は杭州大会で金19個を含む計56個のメダルを獲得。今大会には39人が出場し、前回以上の成績を目指す。男子では、杭州大会で2種目を制した南井瑛翔(トヨタ自動車)が9月、100m背泳ぎ(S10)の日本新記録を樹立。自身が保持していたアジア記録は今年5月にカザフスタンの選手に更新されたが、その記録まで0秒2に迫る好タイムをマークした。「アジアパラでは記録を奪い返し、金メダルを獲りたい」と力をこめる。キャプテンの荻原虎太郎(あいおいニッセイ同和損保)、田中映伍(東洋大)も好調を維持しており、日本勢のさらなるメダル獲得が期待される。

女子では、9月に100m自由形(S14)でアジア新をマークした木下あいら(個人)に注目。木下はパリ2024パラリンピック競技大会(以下、パリ2024大会)後に再生不良性貧血と診断され、約1年4カ月の闘病を経て、今年1月にプールへ復帰した。体力が落ちた一方で、「休んだことで泳ぎたい気持ちが高まっている。それが結果につながっている」と語る。復帰後、着実に調子を上げる木下がどこまで記録を伸ばすかも見どころのひとつだ。

さらに、日本代表選手団最年少となる14歳の山田龍芽(宮前ドルフィン)と都甲万結(大分パラ水連)の若いふたりが、初の大舞台でどんな泳ぎを見せるかにも目を向けたい。

愛知・名古屋2026アジアパラは18日開幕! ロスパラ切符をかけた戦いも

水泳の南井は記録奪還に挑戦する

世界トップが集うバドミントン、河合ら日本勢が挑む

バドミントンは、日本をはじめ中国や韓国、インド、インドネシア、マレーシアなどアジア勢が世界を席巻する競技。ハイレベルなアジアの頂点を争う今大会は、世界一を決める戦いに匹敵する激戦となりそうだ。

日本勢では、初出場の女子立位SL3の河合紫乃(セイリン)が有力選手のひとり。幼少期からバドミントンに取り組み、高校時代には全日本ジュニア5位、法政大時代はインカレ団体優勝を2度経験。卒業後はS/Jリーガーとしてプレーした。股関節の手術をきっかけに左脚に麻痺が残ったことから車いすフェンシングに挑戦。2年前に左脚を切断した後、パラバドミントンに転向した。2025年8月には海外初遠征となったペルー国際を制し、今年2月の世界選手権ではパリ2024大会のメダリストらを破って初優勝。転向から短期間で世界の頂点に駆け上がった河合が、初めて挑むアジアパラでどんな戦いを見せるか。

さらに、パラリンピック2連覇の男子車いすWH2の梶原大暉(ダイハツ工業)、女子車いすWH1の里見紗李奈(NTT都市開発)も出場。強力なライバルになるであろう中国勢との対戦を制してアジアのタイトルを守れるか。愛知県出身の男子立位SU5の今井大湧(ダイハツ工業)は、1年間「身体づくり」に注力し、今季好調。パラ2連覇中で“絶対王者”のチア・リク・ハウ(マレーシア)への挑戦には大きな注目が集まる。

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世界ランキング1位に駆け上がったバドミントンの河合

撮影・取材・文/荒木美晴

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