2020年東京五輪・ホストタウンの取組。 【ひでたけのやじうま好奇心】

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2020年の東京オリンピック・パラリンピック。
エンブレムや国立競技場など、いろいろと問題もありましたが、やるからには成功させたい…というのが、国民の思いですよね。

そんな東京五輪に関連して、いま全国で動き始めているのが「ホストタウン」です。
初耳の方も多いと思いますが、「ホストタウン」というのは、東京五輪に参加する海外の選手団の事前合宿の受け入れなどを行い、地元の人と交流することで、地域の活性化や海外交流を深めていこうというものです。
2002年のサッカー・ワールドカップで、大分県の中津江村がカメルーン代表を受け入れて話題になりましたよね。あれと同じです。

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写真:産経新聞社

すでにホストタウンの登録は行われていて6月14日現在で「91」の自治体がホストタウンとして登録をしています

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例えば、東京都内でいえば、青梅市はドイツ、町田市は南アフリカ、世田谷区はアメリカ、武蔵野市はルーマニア、調布市はサウジアラビア。
それぞれが おもてなしをしたい相手国を登録しているんですね。
今後は それぞれの自治体が相手国と交渉を進めて、事前合宿を誘致するのか、交流イベントを開催するのか、ホスト国として出来ることを詰めていきます。

さて、そんなホストタウンですが、各自治体とも適当に相手国を決めているわけではありません。
例えば、青梅市は、昭和40年からドイツのボッパルト市と姉妹都市として交流を重ねてきた実績から、ドイツのホスト国に名乗りをあげていますし、奈良県天理市は、柔道の強豪・天理大学にフランスの柔道の指導者らが定期的に研修に来ていることから、フランスのホスト国に手を挙げました。
適当な組み合わせではなく、もともと何らかのつながりがあるんですね。

中には、歴史的背景からホストタウンとして名乗りを上げている自治体も。
例えば、和歌山県串本町は、「トルコ」との組み合わせ。
これは映画にもなりました1890年の「エルトゥールル号事件」が関係しています。
明治時代、トルコ(オスマン帝国)の軍艦「エルトゥールル号」が串本町沖で遭難したとき、地元の住民が懸命に乗組員を救出。
そして約100年後の1985年には、イラン・イラク戦争ではテヘランで孤立した在留邦人を「エルトゥールル号の恩を返す」と、トルコ政府が航空機を派遣して脱出させた…という歴史的な出来事。
こうした背景から串本町とトルコは長年にわたって交流を重ねており、今回のホストタウンの登録に至りました。

また、宮城県蔵王町と西太平洋の島国・パラオの組み合わせも歴史的背景によるもの。
どうして蔵王町がパラオのホストタウン?…と思うでしょ。
その疑問を解く答えは、蔵王町にある「北原尾(きたはらおちく)」にあるんです。
実は、この「北原尾地区」は、戦後、日本に委任統治されていたパラオからの引き揚げ者がこの地に入植し、開拓を始めた場所。
そこで「南洋パラオを忘れないように」と、当時の人たちが、地名を「北のパラオ」=「北原尾(きたはらお)」と命名した経緯があるんです。
そこで今回、蔵王町はパラオのホストタウンとして名乗りをあげ、パラオの選手団の誘致を目指しているということなんですね。知りませんでした…。

現在91のホストタウンが登録されているので、こうした各自治体と海外の国の関係を調べてみるのも結構面白いですよね。

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さて、全国各地で進むホストタウンの取組ですが、一方で、早々と代表チームの事前合宿地に決定している自治体もあります。
例えば、世田谷区はアメリカ選手団の事前合宿地に決定。
大蔵運動場などのスポーツ施設の充実と、砧公園のようなリラックスできる環境が評価されたほか、選手村まで車で30分という好条件も評価につながりました。

またアメリカの陸上チームは、千葉県の成田市、印西市、佐倉市、順天堂大学で事前合宿をすることで合意しています。
千葉県は昨年8月の世界陸上北京大会でも、アメリカ陸上チームの事前合宿地となっていましたから、その時の評価が誘致決定につながったと言います。

ほかにも、横浜市、川崎市、そして慶応大学はイギリス代表チーム。
千葉県山武市は、スリランカ選手団の事前合宿地に決まっています。
山武市の場合、特に優れたトレーニング施設があるわけでもないのですが、市内に、長年にわたって、スリランカの子どもたちへの支援と交流を続けてきた元校長先生がおり、その方がスリランカと山武市をつなげたんだそうです。

人でつながる、歴史でつながる、充実した施設でつながる。
いろいろとありますが、今後はどんどんこの取組が進んでいきます。
海外チームの事前合宿地も次々と決まっていくので、要注目ですね。
もしかしたら、あなたの町にも オリンピック選手がやってくるかもしれませんよ。

6月23日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

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