今年は、ウルトラマン生誕50周年なんだそうですよ。
弊社ニッポン放送によるデザインTシャツブランド 193t でも初代ウルトラマン全39話に登場した怪獣、全てをラインナップした「ウルトラマン怪獣Tシャツシリーズ」の販売がスタートしています。
盛り上がってますねぇ。
50年前のちょうどこの時期、昭和41年(1966年)7月10日日曜の夜7時。
「ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生」という記念すべき番組が放送されました。
日本のお茶の間に初めてウルトラマンが登場した日ということで、この7月10日は日本記念日協会により「ウルトラマンの日」として正式登録されています。
でも… 「ん?ちょっと待てよ?」「“ウルトラマン前夜祭”なんて話、しらないぞ?」と思いませんか。
実はコレ、杉並公会堂で収録された、単なる「イベント」でして、翌週からスタートする『ウルトラマン』本放送の、“前アオリ”に過ぎなかったんです。
特撮シーンの撮影が間に合わず、急遽、イベントでお茶を濁した… というウラ事情もあったとか。
急ごしらえのこのイベントでは、ウルトラマンを始め、怪獣たちの着ぐるみが、何匹か登場。杉並公会堂に集まった…というか、「集められた」チビッ子たちは、ヤンヤの大喝采… というような…
まぁ、いまもデパートの屋上なんかでやっている「ウルトラマンショー」と、大差はありません。
ちなみに、この日の放送は、まだ「モノクロ」でして、当時でいうところの「総天然色」、すなわち「カラー放送」となったのは、翌週の本放送からのことだったんです。
… んじゃ、このモノクロ放送の、言ってしまえば、かなりセコイ作りの「ウルトラマン前夜祭」。
いったい視聴率はいくらだったのか? というと、これが、驚いちゃいけません。なんと「34%」という脅威の高視聴率を叩きだしたんです。
当時の子供たちが、いかに「まだ見ぬヒーロー」ウルトラマンに期待していたのかが、よく分かりますね。
今日は、「ウルトラマン生誕50周年」を記念いたしまして、ウルトラマンにまつわるウルトラな秘話を、アレコレとご紹介しましょう。
■ウルトラマンは最初、怪獣だった?
光の国からやってきた正義のヒーロー『ウルトラマン』。
当初からすんなりと「ウルトラマン」という名前や宇宙人という設定が固まっていたわけではありません。
本放送の約半年前、1月2日付の『内外タイムス』には、こういう見出しが躍りました。
「円谷プロ 初の国産カラー特撮テレビ映画『ベムラー』制作へ』
… え?「ベムラー」って、なんじゃらホイ?
そうなんです。
実は… 当初、この番組のタイトルは、「科学特捜隊ベムラー」という奇っ怪なものでした。
そして、このベムラーは「悪い怪獣を倒す正義の怪獣」という設定だったんです。
しかも… デザインのモチーフとなったのは、なんと、「カラス天狗」!
この企画、怪獣や宇宙人と闘う「科学特捜隊」と、彼らに協力する正義の怪獣・ベムラーの物語でした。
ところがこれがテレビ局サイドからNGを食らいまして、撮影スタート寸前でポシャることとなります。
理由は、実に明快でした。
「怪獣がヒーローだと、悪い怪獣と区別がつかんのじゃないか?」
「カラス天狗が怪獣と闘っても、チビッ子たちは、喜ばないんじゃないか?」
…まぁ、当たり前といえば当たり前で、御説ごもっとも(?)
こうして、「主人公=正義の怪獣」という設定は泡と消えまして、ウルトラマンは、「光の国からやってきた宇宙人」ということになったんです!
ちなみに「ベムラー」という名前は、第一話に登場する怪獣の名前として採用されました。
■「バルタン星人」の登場で一挙に人気爆発!
さて、7月17日に本放送が始まるやいなや、『ウルトラマン』は大変な人気を呼びました。
かつて、人気ドラマ『君の名は』が放送されたときには、
『日本中の銭湯から主婦がいなくなる』と言われたものですが… その向こうを張ってのことか、
『ウルトラマンが放送される日曜の夜7時には、日本中の銭湯から子供がいなくなる』と言われたものです。
関連商品も、売れに売れました。喫茶店でコーヒー1杯が約77円の時代。
放送前、ウルトラマン関連の商品化収入は「100万円程度」と見積もられていたのですが、最終的には、1億5,000万円の収入、ボロ儲けとなりました。
さて、こんなウルトラマン人気が完全に定着したのは、第二回目の放送『侵略者を撃て』に登場した、ご存じ「バルタン星人」のおかげだと言われています。
じゃあ、なぜ、「バルタン星人」は、「バルタン」という名前なのでしょうか?
結論からいうと、「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれた「バルカン半島」が由来なんだそうです。
ところが、その後、テレビ局サイドから、制作サイドに向けまして、こんな依頼が飛び込んできました。
「バルタン星人の名前の由来なんですけどね…。バルカン半島じゃあ、つまんなくないスか?いま大人気のフランスの歌手、シルヴィ・ヴァルタンから採った、ということにしてくれませんか?そのほうが宣伝しやすいんスよねぇ… 」
制作者サイドは苦笑いしながらも、これを了承!
結果「バルタン星人の名前は、歌手・シルヴィ・ヴァルタンのヴァルタンから名付けられた」という説が「定説」のひとつとしてまかり通るようになったのだそうです。
■ウルトラマンを倒した最強怪獣「ゼットン」は、なぜ「ゼットン」という名前なのか?
さて、怪獣の名前の由来といえば、コチラも興味深い。
視聴率「37.8%」を叩きだした最終回「さらばウルトラマン」に登場する、最強の怪獣「ゼットン」。
あろうことか、ウルトラマンのカラータイマーを叩き割り、ウルトラマンをやっつけてしまいますが…この「ゼットン」は、なぜ、「ゼットン」という名前なのでしょうか?
実は、最終回に登場する怪獣ということで、アルファベットの最後の文字「Z」と、50音の最後の文字「ん」を組み合わせて、「ゼット」と「ン」で「ゼットン」… となったのだそうです。
■ウルトラマンはなぜ3分間しか戦えないのか?
さてウルトラマンといえば、「地球上では3分間しか戦えない」という設定でお馴染みですよね。では、なぜ「3分間」という数字が出てきたのでしょうか?
その理由とは、ズバリ… ボクシング!
当時、ボクシングの世界戦は、テレビ局のドル箱でした。
そこで、「ボクシングの試合が1ラウンド3分間だから、ウルトラマンも合わせよう」となったんです。
さらに、会議の席では、さらに奇抜なアイデアも飛び出したんだそうですよ。
「ウルトラマンを観るのはチビっ子だけじゃない。オヤジ連中だって観るんだ。
ウルトラマンと怪獣の戦いの合い間に、美人のラウンドガールが出てくるってのはどうだ?」
… このアイデア、ボツにはなりましたが、意外と真剣に検討されたのだそうですよ。
■ウルトラマンと仮面ライダーが、握手したことがある!
最後にちょっと意外なエピソードを。
ウルトラマンと並ぶ変身ヒーローといえば「仮面ライダー」ですよね。
実は、ウルトラマンと仮面ライダーが、握手したことがあるんです!
ウルトラマン VS 仮面ライダー [DVD/Blu-ray]
※諸般の事情により、1993年発売時の映像とは一部変更している箇所がございます。予めご了承ください。
これは、『ウルトラマンVS(バーサス)仮面ライダー』(1993年発売)とうビデオ映画のワンシーン。
なんと、仮面ライダーが、ウルトラマンのように巨大化!ふたりで協力して怪獣を倒しまして、奇跡の握手を交わしたんです!
長い間やっていますと、ファンにとっては夢のような“珍事”が起こるものですね。
生誕50周年を迎えたウルトラマン… あなたは、どんな想い出を抱えていますか?
7月6日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より