ことしの8月、ゴルフ界にとって衝撃的なニュースが飛び込んできました。
「ナイキ、ゴルフ事業からの一部撤退」
ナイキは言わずとしれた世界一のスポーツメーカーですが、ナイキのゴルフ事業の収益は、全体のわずか2.5%。
スポーツ事業は順調に成長していますが、ゴルフ事業だけ3年連続の減少。
ご存じのとおり、ゴルフとナイキと言えば、頭に浮かぶのがタイガーウッズ。
ウッズと契約した当時のナイキは、ゴルフクラブもゴルフボールも、一切作っていませんでした。
ナイキが本格的にゴルフ事業に参入したのは1998年で、まずはゴルフボールを作りました。
その後、ウッズがマスターズを制覇した2002年には、ゴルフクラブも作るように。。。
しかしウッズが、19人の愛人騒動などで人気や成績が落ちていくと、比例して、ナイキのゴルフ事業の売り上げも落ちていきました。
しかし今回ナイキは、ゴルフ事業からの完全撤退ではなく、一部撤退。
ゴルフクラブ、そしてゴルフボールからは撤退するそうですが、ウェアなどのアパレル事業、そしてシューズは、作り続けるそうです。
また今年の5月、世界第2位のスポーツメーカー「アディダス」も傘下に持つゴルフクラブメーカー「テーラーメイド」の売却を発表しました。
アディダスもまた、ゴルフ事業からの完全撤退ではなく、ナイキと同じくゴルフのウェアなどのアパレル事業は続けていくそうです。
なかなかヒット商品が生まれにくい「ゴルフクラブ」に比べて、消耗品である「ゴルフウェア」に、ナイキもアディダスも、期待を残しているようです。
最近このスポーツウェアは、ブランドのロゴをアピールする上でも注目との声も多いですね。
解りやすい例でいうとテニスの錦織圭選手。
スポンサーで、真っ先に思い浮かぶのは、ウェアの「ユニクロ」。
錦織選手のテニスラケットが、どこのメーカーか意外と知らない人も多い。
ラケットは、ウイルソンと生涯契約を結び、シューズはアディダスです。
企業名のアピールという意味では「ユニクロ」がトクしています。
今回のリオオリンピックでも、開会式や閉会式などの公式ユニホームは、スポーツメーカーではなく、衣料品メーカーが担当していた国が非常にたくさんありました。
アメリカは「ポロ ラルフローレン」
フランスは「ラコステ」
イタリアは「エンポリオアルマーニのスポーツブランド」
イギリスは「アディダスと業務提供しているステラ・マッカートニー」
さらにスウェーデン代表は、低価格衣料メーカー「H&M」。
これまでアディダスのユニホームを着ていたスウェーデンのサッカー代表チームも、今回のリオオリンピックでは、胸に「H&M」のロゴが入ったユニホームを着て試合に挑み、世界のサッカーマニアを驚かせたそうです。
まあ、一言で言っちゃうと、スポーツ用品。
ゴルフで言えばゴルフクラブの市場は落ち目でもメーカーにとって「ウェア」というのは、ドル箱ということなんですね。
9月5日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より