さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回の「しゃベルシネマ」では、泣ける感動作をご紹介!
…というよりも、いまある環境に改めて感謝を捧げたくなるような映画だなぁ〜と、私は思いました。
現在公開中の純愛映画『泣き虫ピエロの結婚式』を掘り起こします。
その実話は、1枚のハガキから人々に伝わった
…と、小見出しに書いた瞬間、なんだかラジオ的な温かみを感じてしまいました。
いまはラジオ番組に送られるメッセージやリクエストはメールやFAXが中心かと思いますが、昔はハガキで届いたものですよね。
本作の原作者である望月美由紀さんは、夫となる男性と出会い、恋愛、そして結婚。
しかし幸せな日々は長くは続かず、わずか50日で死という別れを経験しました。
彼女の体験が綴られた1枚のハガキが「第4回日本感動大賞」を受賞。
そして、ハガキを元に書き上げられた同名書籍「泣き虫ピエロの結婚式」が、この映画の原作となっています。
みんなを笑顔にする道化師に憧れて見習いピエロを続ける佳奈美は、ある男性に出会う。
彼は、透析患者の陽介。
重病から心を閉ざし、人と距離を置いて過ごす陽介は、すっかり笑顔を忘れてしまっていた。
そんな陽介を笑顔にしたいと、どんな時も明るく振舞う佳奈美。
そして陽介もまた、明るい笑顔を向けてくれる佳奈美に次第に心を開き、やがて二人は結婚することに。
しかし挙式前日、陽介が倒れてしまう。
自分の命が残り少ないことを悟った陽介は別れを決意するが、佳奈美は…。
主演コンビは、とてもフレッシュな顔合わせです。
道化師見習いの佳奈美には志田未来。
先日ご紹介した『グッドモーニングショー』では、女性アナウンサー顔負けの見事なアナウンス技術を披露した志田さん。
本作では、どんな逆境にも負けず恋に突き進む女性という新たな一面を見せてくれています。
一方、陽介役は竜星涼。
今年もっとも注目を集めた若手俳優の一人、そして作品ごとに確実に俳優としての幅を広げている印象の竜星さん。
これからがますます楽しみな俳優さんです。
難役に挑んだ二人が奏でる愛の物語は、切なくも温もりのあるものとなっています。
「日本感動大賞」とは「閉塞感のある時代にこそ感動的な実話が人々を元気づける」という趣旨で、 身近で感動的な実話をハガキ1枚で募るコンクール。
募集作品の中から大賞を選考し、出版化・映像化等さまざまな方面でのコンテンツ開発を目的としています。
愛する人がそばにいることは決して当たり前ではなく、失ってみて初めてその存在の大きさに気付くこともあります。
だからこそ、今、目の前にいる人を大切にしなければ…。
そんな思いが、この映画からは伝わってきます。
感動とは、意外と身近にあるもの。
そしてあまりにも近くにあることで、日々の忙しさに流されて気付かずに過ごしがちではないでしょうか。
明日、映画館はレディースデー。
ほんの少し時間と心にゆとりを持って、目の前にいる大切な人との生活と改めて向き合う時間を作ってみてはいかがでしょう。
泣き虫ピエロの結婚式
2016年9月24日からシネマート新宿ほか全国順次ロードショー
監督:御法川修
出演:志田未来、竜星涼、新木優子、螢雪次朗 ほか
©2016 映画『泣き虫ピエロの結婚式』製作委員会
公式サイト http://nakimushi-pierrot.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/