スマートフォンの普及もあって、今や、写真を撮らない日はないという方も多いのではないでしょうか?
しかも、Twitter・Instagram・Facebook・LINE…と日に何度もアップされる方もいらっしゃることでしょう。
斯く言う私も誰に見せるわけでもないのに、毎日のように食べ物の写真を撮っています。
そして、カメラ女子も相変わらずの存在感。おしゃれにカメラを取り入れて生活をグレイ度アップさせています。可愛くて素敵な一眼レフのカメラも増えましたよね。コンパクトなミラーレスの存在も拍車をかけているのかもしれません。
そんなカメラの歴史がわかる博物館があるのをご存知ですか?
東京・半蔵門駅の近く(千代田区一番町)にある「日本カメラ博物館」です。
その所蔵はおよそ2万点。その中から厳選された約300台のカメラが常に展示されています。小型カメラの元祖、スナップ写真の基礎を築いたと言われるライカは年代別に60台程が並んでいます。ファンにとっては垂涎ものです!他にも、名画「ローマの休日」の重要なシーンに使われたライター型のカメラもありました。お忍びで羽目を外した王女様の様子をパシャパシャ撮影したあのカメラ!なんと日本製だったんですよ。
珍しいカメラや謂れのあるカメラなど、一つ一つ見ているとその存在と時代背景が相まって時間を忘れてしまいそうです。
そして今、特別展『世界のカメラ100選』が開催されています。世界で初めてという技術的に意義の高いカメラや、ユニークなデザインのカメラなど時代を追って並んでいます。
うっとりするほど美しい「堆錦写真機」は、安政元年(1854年)頃の日本製のカメラです。本体は木製で、漆と顔料を練り合わせて型押しする工芸手法「堆錦」で彩られています。写真は「湿板」という技法で撮影されます。ガラス板に薬品を塗って湿っているうちに撮影と現像を行います。ドットが細かく、今でも太陽光の下、とても綺麗な写真が撮れるそうですよ。
そして、アメリカ製の「ザ・コダック」は、1888年に作られた最初のロールフィルムカメラです。100枚撮影できるフィルムが装填されて販売され、撮影した後はそのままカメラ屋さんで現像してもらい、また新しいフィルムが入った状態で戻ってきます。「あなたはボタンを押すだけ。あとは当社にお任せ下さい!」という広告で大ヒット!アマチュアカメラマンが増えたのは言うまでもありません。
会場で目を引くのが鳩の剥製に付けられた小型カメラ「ドッペル・スポルト」。1908年頃のドイツのもので、鳩が飛び立った後に自動でシャッターを切る装置が付いています。撮影できる場所は鳩頼り、どんな写真が撮れていたのでしょうか。
カメラにとって大きな転換期でもあった「写ルンです」。「ザ・コダック」と同じ発想で、手軽に多くの人に写真を撮る機会を与えました。
やがて、1980年代には、デジタルカメラの基礎となる「ソニーマビカ」が作られました。有効画素数はなんと28万画素。2インチのフロッピーディスクに記録されました。
1台1台に意味のあるカメラがこれだけ揃う機会はなかなかありません。そして、つまみ一つをとっても存在する意義があり、機能美を兼ね備えていて本当に美しいデザインなのです。日本のものづくりの素晴らしさも実感できます。
毎日の生活を豊かに楽しく演出してくれるカメラ。写真を撮る機会が多いこの時期にもう一度見直してみませんか?
特別展『日本カメラ博物館コレクション 世界のカメラ100選』は、3/26まで、日本カメラ博物館で開かれています。
開館時間 10:00~17:00
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)年始は1/5~
レポート:ひろたみゆ紀