トランプ大統領の誕生とともに一躍有名になった言葉があります。
それは『フェイクニュース=偽ニュース』。
フェイクニュースとは“真実ではない 偽物のニュース”のこと。
噂話やホラ話の類は昔からありますが、今回の大統領選挙ではその存在が勝敗を左右したとも言われています。
例えば、大統領選挙で流布されたフェイクニュースとされているものには…
『ローマ法王がトランプ氏の支持を表明した』
『クリントン氏のメール問題を捜査するFBI捜査官が無理心中した』
『クリントンがイスラム国に武器を売却していた』
事実無根であるかどうか信じるか信じないかは 結局受け取り手なのですが、これが「嘘」だとわかる前にインターネットで急速に拡散してしまうと、信じる人も多くなって、嘘も真実のようになってしまいます。
フェイクニュースが流布してしまう背景には、「フェイクニュースを掲載するサイトが多数出現した」ことと、「フェイスブックなどのSNSの存在」があるとされています。
フェイクニュースを掲載するサイトというのは、単純いえば、事実無根の嘘のニュースに ご丁寧に解説なども付けて、あたかも本物のように偽装したニュースページのこと。
ここに掲載された記事が、世界中に利用者を持つフェイスブックなどのSNSを通じて一気に拡散する…というのが拡散のパターンです。
今回の大統領選では、従来のメディアがクリントン寄りであったとも言われ、それに反発する形でウェブに掲載されているニュースを情報源とする人が増え、それに呼応して「偽ニュースサイト」が急増したのではないかとされています。
また単純にクリントン批判、トランプ支持で偽ニュースを作っていたのではなく、閲覧数を増やして広告収入を得る、金儲けの手段として、偽ニュースサイトを立ち上げた人たちも多かったと言われています。
そんなフェイクニュースが注目されるようになって、批判が集中したのが、フェイスブックなどのSNS運営会社。特にフェイスブックは利用者18億人の最大手で、「偽ニュースの拡散を助長している」とされたんですね。
そこでフェイスブックでは、昨年12月「フェイクニュース対策」を発表。
① 利用者が「これは嘘だ」と思った記事を報告しやすくする。
② 報告が蓄積されたら第三者機関がチェック。
③ 嘘だと判明したらそのニュースに「異論アリ」との注意が添えられる。
こうした対策が本当にフェイクニュースを排除することにつながるのか、その効果はわかりませんが、対策はやっていこうということです。
この対策、今月17日にはドイツでも試験的に導入することが決定しました。
ドイツでは9月の連邦議会選挙を前にフェイクニュースを警戒していて、フェイスブックがその動きに対応して対策導入を決めました。
今年はドイツ以外に、3月にオランダ総選挙、4月にフランス大統領選挙など、ヨーロッパでは注目度の高い選挙が相次いで行われます。
世界各地でフェイクニュース対策が求められる1年になりそうです。
さて、そんなフェイクニュース対策ですが、その中にはニュースの事実関係を検証する、「第三者機関によるチェック」というものがあります。
俗に「ファクトチェック」と呼ばれるものです。
ファクトチェックとは「政治家の発言等に事実関係の誤りがないかを検証すること」。
アメリカではファクトチェックを専門的に行っている機関もあり、政治家などの発言を受けて、その出典元に確認をしたり、専門家に取材して事実確認を行ったりして、その真偽をいくつかの段階で評価しています。
今後は日本でもこの「ファクトチェック」が進んでいくと思われます。
アメリカ大統領選を受けて、世界に広がったフェイクニュース。
インターネット・SNSの時代、飛び交うニュースを個人でも判断する時代になっているのかもしれません。
1月26日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より