俗に非(あら)ず沙門にも非ずと自分を規定した良寛は、孤独と自由に徹して、あるがままの現実を受けいれました。七十歳の時はじめて訪ねて来た三十歳の貞心尼(ていしんに)とのあたたかな交りも、自然で大らかで美しい。老いらくの恋とみていいでしょう。それでも人の孤独は消えるものではありません。死は一人で旅立つものなのです。
瀬戸内寂聴
撮影:斉藤ユーリ
出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫
俗に非(あら)ず沙門にも非ずと自分を規定した良寛は、孤独と自由に徹して、あるがままの現実を受けいれました。七十歳の時はじめて訪ねて来た三十歳の貞心尼(ていしんに)とのあたたかな交りも、自然で大らかで美しい。老いらくの恋とみていいでしょう。それでも人の孤独は消えるものではありません。死は一人で旅立つものなのです。
瀬戸内寂聴
撮影:斉藤ユーリ
出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫