人の孤独は消えない【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】第181回

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俗に非(あら)ず沙門にも非ずと自分を規定した良寛は、孤独と自由に徹して、あるがままの現実を受けいれました。七十歳の時はじめて訪ねて来た三十歳の貞心尼(ていしんに)とのあたたかな交りも、自然で大らかで美しい。老いらくの恋とみていいでしょう。それでも人の孤独は消えるものではありません。死は一人で旅立つものなのです。

瀬戸内寂聴

撮影:斉藤ユーリ

出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫

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