そのつけが自分にかえってくるのを覚悟するなら、不倫をとめても仕方がないでしょう。
けれど恋は必ずおとろえ、やがて冷めます。情熱は燃えたら灰になります。
恋の成就のあとに破局や悲劇もおこります。さびしさや屈辱も味わいます。
相手が家庭に帰ったあとの孤独にも耐えねばなりません。遊び半分ならなおさらひどい目にあるのが当然です。自分が幸せになるため人を傷つけていいはずはないのです。
愛したとたん、人は苦しむという覚悟を持つべきです。瀬戸内寂聴
撮影:斉藤ユーリ
出典:『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫