プロのスリが見せるテクニックにドキッ!『フレンチ・ラン』【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第165回】

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さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、3月4日に公開したばかりの『フレンチ・ラン』を掘り起こします。

“王道”を極めた、異色バディ・アクション

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革命記念日前夜のパリ市街で、爆弾テロが発生。
過去にイラクで命令を無視してテロリスト6名を射殺したこともある、CIAきってのアウトロー、ブライアー捜査官が事件を担当することに。
捜査線上にスリの若者マイケルの存在が浮かび上がり、早速容疑者として確保するが、ブライアーはマイケルが濡れ衣を着せられているように感じ取る。
そこで彼の無実を証明するために、捜査協力を持ちかけるブライアー。
マイケルも彼の提案に乗り、真犯人を探してパリの街を奔走。
しかし36時間後の革命記念日にパリを制圧するという犯行予告が出され、二人は国家的危機に巻き込まれていく…。

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はみ出し者のCIA捜査官とスリの腕を買われた若者が異色のコンビを組む、王道バディ・アクション。
ブライアーを演じるのは次期ジェームズ・ボンドとの呼び声も高いイギリス人俳優、イドリス・エルバ。
マイケル役は、ディズニー映画『シンデレラ』での王子様ぶりがハマっていたリチャード・マッデン。
せっかくパリが舞台なのに、歴史も景観もお構いなしの破天荒コンビ。
その凸凹ぶりは、実に痛快です。

監督・脚本は、ダニエル・ラドクリフが主演した『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』をイギリスホラー映画史に残る記録的ヒットに導いたジェームズ・ワトキンス。
この『ウーマン・イン・ブラック』、日本での興行はイマイチでしたが結構な良作で、巧い監督さんだなぁと感心した記憶が。
本作でもアクション映画の王道からブレることなく、迷いなく突き進む爽快感が好感度大です。

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中でも息を呑むのが、マイケルによるスリテクニック。
テロ事件の鍵となる情報をつかむため、ターゲットではない人物のものを盗んだり、客同士の喧嘩を誘発したり。
いかに自分に疑いの目を向けさせずに目当てのものを手に入れるか、その巧妙な手口に「プロのスリってスゴい!」と感心しきり?!
大胆なアクションから繊細な描写まで、目が釘付けになってしまいます。

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上映時間92分というのも、アクション映画の王道要素のひとつ。
スピーディーに小気味良く、気軽に楽しめる一作です。

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フレンチ・ラン
2017年3月4日から渋谷シネパレスほか全国ロードショー
監督・脚本:ジェームズ・ワトキンス
出演:イドリス・エルバ、リチャード・マッデン、シャルロット・ルボン、ケリー・ライリー、ジョゼ・ガルシア、ティエリ・ゴダール
©2016 Studiocanal S.A. TF1 Films Production S.A.S.All Rights Reserved
公式サイト http://gaga.ne.jp/french.run/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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