報道部宮崎裕子記者による「報道部宮崎の取材記あれこれ」。
ニッポン放送ニュースでは、お伝えしなかったとっておきの取材ネタをご紹介します!
①『都内の落し物 過去最多 現金は36億円!』
去年(平成28年)、警視庁の遺失物センターに届けられた落し物(拾得物)の件数は約383万2千件で過去最高となりました。
拾得物の中で最も多かったものは免許証などの証明書類で約63万点、次いでスイカやパスモなどの有価証券類、衣服履物類、傘、財布…といった順でした。
驚くのは現金です。なんと36億7千万円余りの現金が去年一年間に拾得物として届けられているのです。
一日平均1,000万円余りの現金が、都内のいたる所で拾われているということですよね。
中には現金そのものの落し物もあるようですが、多くの人が財布を落とされているということです。
そういう私も過去に一度財布を落としました。見つかりませんでした…。
ちなみに去年一年間に、落とした人に返還された現金は約27億円、持ち主が判明せず拾った人に引き渡された現金は約5億円。
その他の理由で東京都に帰属された現金は約4億4千万円。
これは東京都の歳入となっています。東京都の臨時収入?がこんなところにあったんですね。
②『がんばっぺ!福島の魚』
日本記者クラブの取材団の一員として先月、福島・宮城の被災地を訪れました。取材した内容は各番組でレポートさせていただきましが、ひとつだけお伝えできなかったことがあります。それは「福島の魚」。相馬市の松川浦漁港では試験操業で漁が再開されているのですが、相馬双葉漁協の水揚げ量は震災前(18,000トン)の10分の1以下の1,500トン(平成27年度)。金額にすると20分の1以下しか戻っていません。市場に出ても「福島の魚」というだけで安く買たたかれてしまう現実があります。
相馬漁協では釣り上げた魚は、国の基準よりさらに厳しい自主基準を設けて放射性セシウムの検査をおこなっています。すでにほとんどの魚で検出されていません。安全なんです!しかし尚、カサゴ、スズキ、クロダイなどの12種が出荷制限となっています。これらの魚からは時々、高い放射性セシウムが検出されてしまうのです。なぜか…?
「寿命が長い」からなんだそうです。寿命の長い魚は7~8年生きます。つまり震災当時の魚がまだ生きているので、時々、高い数値の魚が網にひっかかってくるのだとか。漁業の担当者は言いました「だから、あと1~2年の辛抱なんです」と。あの頃の魚がいなくなれば、本格操業に舵が切れる。
③『窃'糖'(せっとう)事件』
「窃盗事件」ならぬ「窃糖事件」だ。これは警視庁の捜査幹部が思わず口にした言葉です。税理士事務所に侵入してソフトクリームを盗んだとして、警視庁は3月21日、石川県輪島市の無職・若島康弘容疑者(51)を窃盗などの疑いで逮捕しました。若島容疑者は東京都内や石川県内で事務所荒らしを繰り返していたとみられているのですが(被害想定額550万円)、なんと複数の現場で、甘い物が食べ散らかされた跡があったのです。
捜査員の間では「シュガー」とか「甘盗(あまとう)の男」などと呼ばれていたそうですが、これまでに確認されている'窃糖'は生チョコ、プリン、ガリガリ君、ラムネなど。金品を窃取したうえに、冷蔵庫の甘味物までに手を出すなんて、なんという図々しさ。
しかし…、あの事件の犯人もそうでした。世田谷一家殺害事件(平成12年12月発生)。犯人の男は家族4人の尊い命を奪ったあとに、冷凍庫のアイスクリームを食べていたのです。8歳と6歳の姉弟がデザートに楽しみにしていたかもしれないアイスクリームを…。