6/7(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
新刊『都知事失格』は全面自己弁護
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
小池都知事、歴代都知事への批判から自身の正統性を記述昨年6月に東京都知事を辞任した舛添要一氏が新刊『都知事失格』を刊行し、話題を集めています。問題となった政治資金の公私混同について、都政を引き継いだ小池百合子都知事のについて、また歴代の東京都知事に関しても言及している。
高嶋) 鈴木さんが比較的厚い本を渡してくださいました。『都知事失格』舛添要一著。この本、けっこう売れていますね。面白いと。
鈴木) いろんな意味で話題になっています。
去年の6月、舛添さんが知事を辞める辞めないという頃に私もいろいろと取材しましたけど。そのときと変わっていない。海外渡航費が高いとか、政治資金の使い方などいろいろ問題がありましたが、「法律的に自分は悪いことをしていない」のだと。やわらかく言うと「悪くない」と。だけれどもいろんな事情があって知事を辞めるという、あのときの思いがそのまま出ている感じですね。高嶋) 「ファーストクラスがなぜ悪い!」それで各都政を批判していますね。
鈴木) そうですね。歴代のもの、小池さんが今やっていることについても批判して。非常に厳しい書き方をしています。
高嶋) 例えば小池さんはマスコミと連携して『劇場型ポピュリズムを政治手法とする暴君ネロである!』と書いてある。
鈴木) あなたにそれが言えた義理ですか? という印象を持つ人が多いと思いますよ。取材をしていると、舛添さんだからやった評価できるところもいっぱいあるのです。いくつか当時上げたのは、オリンピックで予算を2000億削ったこと。また、都庁の職員は、ここ最近の知事の中では「舛添さんは良かった」という人が多い。ご本人もこの本で書かれていますが、行政のトップとして、というところは徹していたと思います。ほかの知事はバンッと乗り込んできて好き放題に「改革だ~!」とやるでしょう? それに比べて舛添さんは上手く官僚を使っていた。そのあたりは良かったけど、政治資金の使い方や二流ホテルに泊まりますか?という言動とかがいけなかった。
高嶋) 何も変わっていない。
鈴木) 流石に今回は反省を書いて欲しかった。
高嶋) 結局腹を括ってしまって。さっきの小池さんに対する批判もそうだし、本当は腹の内で思っていた石原慎太郎さんに対する思いも、歴代の知事を徹底的に書き下ろしているみたいで。石原さんは「特定の問題にしか興味を示さない。出勤日時も気ままである。役人を恫喝するような強権的な言辞を弄する。気に入らなければクビにする。これでは職員が面従腹背となってしまうのも仕方がない」前だったら絶対言えないようなことを。
鈴木) 厳しいですねえ。
高嶋) これからどうするおつもりですかね?
鈴木) おそらく復帰したいと。政治家でなくても政治評論家でも何でもという思いではないですか。舛添さんの中では“もう”1年経ったと思っているのでしょうが、今の政治状況や小池さんがやっている都政の改革の中では“まだ”1年しか経っていないのです。そこの時間的なずれをこの本に感じましたね。
高嶋) 石原さんは過去の人だし、猪瀬さんは何か幸せの生活をしている(笑)
鈴木) 猪瀬さんが出て来たのも大きいですよね。なんで猪瀬さんは法まで犯したのに出て来て、俺は法を犯していないみたいな思いもあると思います。
高嶋) そんなような感じが行間からにおい立つ。『都知事失格』とあえてそういうタイトルにしていますけど。全面自己弁護という印象ですね。