8/14（月）FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！③

北朝鮮リスクでアメリカ株価暴落
7:10～やじうまニュースネットワーク：コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

「PAC3を中四国に展開」広島県の陸上自衛隊海田市駐屯地に到着したPAC3＝広島県の陸上自衛隊海田市駐屯地 2017年8月12日　写真提供：産経新聞社

防衛省が北朝鮮のミサイルに備え、PAC3を4県に展開準備

北朝鮮がグアム沖へのミサイル発射の検討を表明して以降、各国がそれに備えた動きを加速させています。アメリカのトランプ大統領は関係国との会談を重ねている他、日本は防衛省自衛隊が中国・四国地方の4つの県で迎撃ミサイルPAC3の展開を始めました。

畑中デスク）北朝鮮問題に関しては特に日本とアメリカで動きを見せています。まずはアメリカですが12日にフランスのマクロン大統領と電話で会談をしました。北朝鮮については核の脅威を食い止める、その目標を達成するため外交や経済、軍事的手段を全面的に駆使する用意があると表明しました。またフランスに先立ちまして、トランプ大統領は中国の習近平国家首席とも会談をしております。こちらはちょっと事情が違いまして、北朝鮮が挑発行為を停止しなければならないという認識では一致していますが、習近平氏は「アメリカと北朝鮮双方に自制を求める」。あくまでも対話による政治解決を追求する立場を明確にしています。トランプ氏は中国に対しまして「不公正な貿易行為の是正に関する調整の準備を進めている」と通告をしています。アメリカではコンピューターソフトや半導体などIT関連産業を中心とした中国の企業の知的財産権の侵害に対する警戒感が強いと。中国はやはり海賊ソフトなども多いですからね。そういったこともあってこの行為は北朝鮮との共同歩調をとるためのひとつの取引カードの側面もあるかと思います。一方日本ですけど、防衛省自衛隊がミサイルを発射された場合の通過が予想されます中国・四国の4つの県の陸上自衛隊の駐屯地に、航空自衛隊のパトリオットのPAC3の部隊配備を終えております。日本海では海上自衛隊のイージス艦も展開しておりまして、これで24時間体制での迎撃準備が整ったことになります。ところで昨夜の北朝鮮での平壌放送の日本語放送では若者、とりわけ学生などの兵隊の志願者が増えているというニュースが伝えられております。

実際に計画通りのミサイル発射が行われるのかどうか、この辺が焦点になるわけですけど、いろいろ節目となる日があるわけですが、8月21日から31日までアメリカと韓国の合同演習『ウルチ・フリーダム・ガーディアン』があります。この前後が最も警戒の期間といわれております。この期間の中には8月25日の金正日総書記が軍事優先の線軍政治を始めたとする記念日も含まれております。

北朝鮮の核先制攻撃はあるのか？

高嶋）須田さんはどういうふうに見ていますか？北朝鮮はやりますか？今はトップ同士がプロレスのような罵り合いをやっていまして。金正恩が言っているのかトランプさんが言っているのか分からないほど台詞が似ていますよね。

須田）北朝鮮の最終的な狙いがどこにあるのかというと、アメリカトランプ政権による金正恩体制の体制保障です。体制を保障します、崩壊させることはありませんよと。できることならそれを文書化して欲しいというのが北朝鮮の本音にあります。そこに向かってのぎりぎりの交渉だと思います。ただ事態は新しい局面に入ってきていて、事実上北朝鮮は核兵器を保有している状況に入っている。

高嶋）みなさんそれは認めるということでしょう？

須田）暗黙で見て見ぬふりをすると。ただ見極めなければいけないのは、北朝鮮はどのように使用しようとしているのか。つまり先制攻撃はおそらく“ない”だろうと見ていますが、抑止として使うにしても持っているだけなのか、それとも何らかの形でぶっ放すのかは見極めないといけません。

高嶋）体制保障をされたらぶっ放さないでしょう。

須田）ええ。体制保障をしたらぶっ放さないでしょうけど、アメリカも簡単には認めませんから。それはブッシュ政権のときに金正日体制下でやっています。結果的にアメリカはそれを認めなかった。その他懸念しなければいけないのは、ロシアがクリミアに軍事進駐したとこがありましたよね？後になってプーチン大統領が「仮にNATO諸国が軍事的攻撃をしてきたならば核兵器の使用も辞さず」と言っていました。どういう形での使用なのかと後々検証されていまして、ベルリンやパリなど人が多いところにぶっ放すわけではなくて、人がいないNATO諸国の領土に核兵器を使う予定だったらしいです。

高嶋）領土に？

須田）人がいないからさほど被害がない状況になります。つまりこれも核抑止の使い方のひとつです。だから北朝鮮もこういった使い方をしてくる可能性もあります。

北朝鮮リスクによってアメリカ株価暴落

高嶋）トランプさんがあれだけ口を極めて習近平さんを「あんなにガッカリした奴はいない」と。全然やる気がないですよね？

須田）やれないですね。中国も下手に口をはさんでしまうと北朝鮮の刃が自らに向かいかねないという状況を認識していますから。

高嶋）要するに金正恩の意のままに7割くらいが進んでいると。

須田）進んでいます。やはり核兵器は持った者勝ちです。手を出せませんから。一番その辺に対してリスクを抱いているのがマーケットですよ。先週末のマーケットの動きを見てみると相当北朝鮮リスクが高まっている認識はありますよ。

高嶋）日本経済にも影響がかなり出そうですね。

須田）ええ。アメリカの株価は暴落といってもいい状況ですし、それを受けて日本の株価は下落する。一時は海外の先物で19,000円台を割り込むという展開もありました。これまで続いてきた円安も急ブレーキがかかって円高方向に移りました。有事の円と呼ばれていますから。一時的には買われます、避難の資金としてね。そしてもうひとつ買われるのは金。となるとマーケットは北朝鮮とアメリカとの軍事衝突のリスクが高まっていると認識していることに等しいと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ！
FM93AM1242ニッポン放送 月～金 6:00～8:00