8/3(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
報道されない北朝鮮国民の実態
6:30~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
ロケットを打ち上げる一方で干ばつに苦しむ北朝鮮最近の北朝鮮は、ICBMや核開発など、軍事関係の話題が非常に多くなりました。
一方、多くの国民たちが飢えに苦しんでいるであろう状況はこのところ、報道されなくなりました。この件について、産経新聞論説委員の山本秀也さんが詳しく解説します。高嶋)例の北朝鮮のICBM、あれが東京からパリへ出発したエールフランスの旅客機と10分差で通過したようですが、危なかったとか。
山本)あれは絶対に避けなければいけないのですけどね。
高嶋)それで素朴な疑問なのですが、北朝鮮はあれだけロケットを打ち上げると何億もかかると言われています。
国連が先日発表したいろいろな数字やニュースを見ると、北朝鮮は今年、干ばつがひどいと。山本)そうですね。
高嶋)そう言われてみると、ここ最近は平壌以外の北朝鮮国民の生活状況に関して、全然報道されなくなったじゃないですか。
山本)前は取材中に隠し撮りを移動中のバスとかでこまめにやっていたのですが、最近は北朝鮮の役人が、それをさせないのもあるかもしれません。
西岸の干ばつがひどく、6月は危機的な状況だった高嶋)豆満江の脱北というのも、このごろ全然報道されないですね。
山本)あることはあるのですけどね。国境管理はだいぶ厳しくしていますけど、非常に川幅が狭いところもありますから。
いずれにしても、朝鮮半島の西岸の方で干ばつがひどく、特に6月は危機的な感じだったそうです。田に水を入れるのに、1日平均12万2000人を導入したとか。それから、「作物を二毛作、三毛作することは我が朝鮮の偉大なる伝統だからやれ」という社説が労働新聞に出たり。とにかくひどい状況だったのですね。
それで、ミサイルとの比較で言うと、これは少し古い数字ですが、2012年の段階で出た数字は、「ミサイル開発経費が当時8億5000万ドルくらい」と推定されていました。これは当時のレートと米相場で見ても、米が140万トン以上買える金額です。
よく言われることですが、ミサイル開発に金を使うより、食糧や民生の方に使うべきですよね。特にあの国の場合、全国民の民生を犠牲にしてでも、核やミサイルを作ろうとしていますから。高嶋)2012年でこの数字ということは、いまは倍くらいになっているかもしれないですね。
山本)倍では済まないと思います。いまはICBMのところまで来ていますから。
中国はいまも食糧援助をしている高嶋)ということは、餓死する人とか食べられない人とか、国連がどれだけ気を使おうと、ああいう国ですから。相当の犠牲者を出しているかもしれないですね。
山本)これからですね。北の作物というのは、米やトウモロコシ、あとはジャガイモや大豆、それから麦を少々、という感じなのですが、前はここまで瀬戸際外交をやっていないときは、国連機関とか、あるいは中国などの諸外国に「食糧援助をしてくれ」とはっきり出していました。その辺は上手く回っていたのですが、いまはここまで自分を追い込んでくると、ふつうは言えないですよね。
高嶋)中国は、まだそうした食糧援助はしているのですか?
山本)しています。去年も……最近では2015年がひどかったのですが、あのあとも出していたし、去年も100万トンの食糧を要求する交渉に行った、という情報が流れました。
高嶋)それでは皆さん、食いつないでいることには、食いつないでいるのでしょうかね?
山本)まあ、そう言いながら、平壌のど真ん中に、以前取り上げましたが、よく太った幹部が行くプールができたりしているのですが、まさに地方がたいへん気になる状態ですね。
高嶋)兵士も食糧事情が悪い、というニュースがありましたよね。
山本)一般兵士もですね。いまは水産品の方を「食糧確保だ」と言って、日本海のど真ん中まで北朝鮮の船がやってきてイカを攫っていくというので、日本海側の漁連の皆さんはかなり神経を尖らせているのですが。そういう状態になって、実際水産品の水揚げ量がここのところ伸びてきているのです。
ということですが、実は7月に入ってからけっこう雨が降っていますので持ち直す可能性はあるのですが……降ったら降ったで大洪水ですから。あそこは。高嶋)太平洋戦争のときの「軍国日本の内情」みたいなのと被るのですよ。「欲しがりません、勝つまでは」とか、いろいろ標語があったじゃないですか。食べるものがなくて。
山本)多分、食べるものはないと思いますね。北のGDPそのものは伸びているのですが、民生には反映されていませんから。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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