北朝鮮はミサイル発射をやめない・宮家邦彦

By -  公開:  更新:

8/18(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

2プラス2(防衛担当閣僚による安全保障協議委員会)をワシントンで開催
7:11~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

2プラス2

日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)に臨む4閣僚。左から、小野寺五典防衛相、河野太郎外相、ティラーソン国務長官、マティス国防長官=2017年8月17日午前、ワシントンの国務省 写真提供:産経新聞社

北朝鮮の非核化と弾道ミサイル開発阻止に向け、圧力を強化することで一致

日米両政府は、外務防衛担当閣僚による安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2を17日アメリカのワシントンで開き、北朝鮮の核ミサイル開発に対応し、防衛協力を加速させることで一致しました。また、北朝鮮の挑発行為の抑止に向けて圧力を掛け続けることを確認しました。

ワシントンの国務省で日本時間の今日未明まで開かれておりました日米の外務防衛担当閣僚による2プラス2。トランプ政権になってからは初めてでした。日本からは河野外務大臣、小野寺防衛大臣、アメリカのティラーソン国務長官とマティス国防大臣が出席しました。この中で北朝鮮の非核化と弾道ミサイル開発阻止に向け、圧力を強化することで一致したほか、北朝鮮のミサイルに対し防衛能力を向上させる方針でも合意しました。

マティス国防大臣は共同会見で「北朝鮮が日本にミサイルを発射した場合、すぐに迎撃するための特別な行動をとる」と明言しました。ティラーソン国務長官も北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)発射を「容認できない挑発だ」と非難しました。一方、小野寺防衛大臣は自衛隊の役割の拡大を表明しまして、海上自衛隊のイージス艦に搭載している迎撃型ミサイルを地上に配備するイージス・アショアの導入も説明しました。

これを受けて政府は来年後半にも予定しております防衛計画の大綱の見直しや2019年度以降の中規防、次期中期防衛力整備計画の策定にあたって、イージス・アショアの早期導入方針を反映させることになっております。ただ北朝鮮のミサイル発射を抑える有効な手立てが見えているわけではありません。日本政府内にはトランプ政権が今も国務省の政治任用ポストさえ埋めることができていなくて、北朝鮮とか中国と戦略的に対応を進めることができるのか疑問の声も漏れ始めています。


北朝鮮がグアムにICBMを撃つことはない

高嶋)北朝鮮の暴れん坊が、勝手気ままなことを言って、嘘かもしれないけれどもやるかもしれない可能性は否定できない。あちこちで右往左往するというようなそういうスタイル。まず伺いたいのですが、現時点で集まっている情報から、北朝鮮がグアムの周辺30キロのところにICBMを撃つという、その可能性はどうですか?

宮家)もちろん否定はできないかもしれないけど常識的にはやらないでしょうね。トランプさんが変なことをいつも言っていますが、1つだけ大事なことは何やるか分かんないかもしれないと思わせてること。これはある程度の抑止効果があって、私は北朝鮮は言ってはみたけれども、ICBMはいずれは撃ちますけどグアムに撃つかな?他でもいいんじゃないかな。

高嶋)それは相当疑問符が付く。

宮家)かもしれませんね。ある程度トランプさんの効果があったのかもしれません。ただ問題は、北朝鮮はどのみちやめないということです。

高嶋)最近面白いなと思うのは、こう言っては失礼かもしれないけどアメリカのトランプ大統領と金正恩、どっちが発言したんだか分からない(笑)。

宮家)本当お似合いのコンビですよねえ。何でこんなレベル下がっちゃったんでしょうねアメリカの大統領は。

高嶋)それでティラーソンさんとかマティスさんとかがでてくると極めて何か安心。


30年前の2プラス2とは?

宮家)まともな人たちですからね。そうでなきゃ困るでしょう。
トランプみたいのが何十人もいたらどうなるんですか。でもこの2プラス2見ててちょっと思い出したことがあって、30年前に私が国務局にいた時は2プラス2なんてなかった。あの時ちょうど2プラス2(安全保障協議委員会)を作ったのです。といって2プラス2ができるという保証は無かったのです。当時、作ったは良いけど。だってアメリカの国務長官忙しいから、やろうと思うと国務長官出られないから副長官だって。え、じゃあ2プラス1.5じゃねえかとか言っても、向こうはいやいやそれでいいんだと。そういう時代がでした。今はこのタイミングで全員そろって開けること自体、隔世の感がありますね。昔は大変だったんです。

高嶋)国の外交先頭きってやってきた人にとっては本当にそうでしょうね。

宮家)80年代の後半に始まったんですよ。だけど最初の2プラス2というのは本当に大変でした。4人揃わなかったから。

高嶋)逆に言えばそれだけ重大事態ということなのですよね。

宮家)それもそうですし日米の安保の協力、同盟関係が本当に強化されたなと思います。こういうタイミングでできることは。だって2プラス2の前はどうだったか知ってますか?防衛庁長官と外務大臣と在京のアメリカ大使と在日米軍司令官、この4人でやってたんですよ。それはおかしいだろってことでやっと大臣級にして。

高嶋)ということはニュアンスとしてはグアムのミサイル撃つことは無いね。

宮家)島に向かって撃ったらアメリカは本当に迎撃しますから。

高嶋)だからマティスさんの発言がコロッと変わったっていうのはやっぱり、相当向こうの心胆寒からしめるところがあったんでしょうね。やばいと。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top