アメリカと北朝鮮、すでに水面下で交渉中か

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8/15(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

アメリカの先制攻撃は「外交努力が失敗した場合」
7:03~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

アメリカと北朝鮮、すでに水面下で交渉中か
怖いのはアメリカ国民の武力行使への高い支持率

北朝鮮がグアムへ向けての弾道ミサイルの発射を検討している件について連日報道されていますが、アメリカの対応はどうなるのか?両国の応酬の裏側はどうなのか?この疑問について、ジャーナリストであり、大学教授でもある富坂聰さんに伺います。

高嶋)北朝鮮がグアム周辺にICBMを飛ばすのか、しないのか……今日辺りの新聞を見てみると、オバマ政権のときの安全保障を担当していたスーザン・ライスさん、彼女がソ連と対峙していた冷戦交渉のときはもっと大変だったのだから北朝鮮の一国くらいの核は大丈夫だ、と発言。すると、反論がすぐに出まして。その反論しているのがマクマスターさんということなのですが、これは基本的に富坂さんの分析では条件があるとか。

富坂)そうですね。「グアムに対して攻撃するという意志を示す」ということですよね。「これが行われた場合に」という発言になっているということですね。
ダンフォードさんが言ったのは「外交努力が失敗した場合」ということになるので、すぐに何かをやる、ということではないですね。少なくとも、日本でよく間違えられている「アメリカが先制攻撃をする」というのとは違うわけです。
なので今のところ、まだ話し合いの路線には乗っていると思います。
中国自身も多分北朝鮮のことは見えていないので、中国はガラス張りで北朝鮮を見ていてどうこう、ということでは無い。磨りガラスの向こう側で起きていることを予測しているだけなので、そこは非常に難しい問題になっている。
それと私がもう1つ心配しているのは、アメリカ国民は武力行使に対して非常に高い支持率が世論調査にでるのです。6割近くになるときもある。
さらに、北に強硬な態度をとるとトランプさんの支持率が上がる、というのもある。なので、本来の部分ではないところの影響が……北朝鮮の予測不可能な部分と、トランプさんの支持率に関する部分が化学反応をしてくるかもしれません。


水面下では既に交渉が進んでいる可能性も

高嶋)それは凄く心配ですね。過去の例でも戦争を仕掛けると、大統領の支持率は跳ね上がりますからね。それが常ですから。
私がもう1つ心配なのは、北朝鮮が妙にICBMで自信を持って、言いたい放題。グアム島周辺の2、30キロのところにそれを落とすとか。いまはそんなに緻密なのですか?

富坂)正確に複数のミサイルを落としていますので、かなり精度の高いものをやる技術は持っていると思います。なので彼らにとっても、グアムの領海内に落とすというのはかなりヤバいことになりますので、方向はグアムでも実際にアメリカが怒るほどでは無い場所へ着弾させなければいけないと思います。

高嶋)口ほどにもなく、もし撃ってもアメリカがギリギリ怒らないようなところへ?

富坂)そこへ行くと思います。今回のことは、ベースはやはり米韓合同演習が21日から始まりますが、こういうのが近づくと必ずこうなりますので、それがまず背景にあるということと、もう1つは、少し先走った見方をすると交渉のテーブルの条件闘争に入っているのかもしれない。
米中の新聞のそれぞれ1部では、「アメリカと北朝鮮は水面下で話をしている」という言い方をしています。なので、実際に表に見えているところでは話し合いはしていないけれど、水面下でしている、という報道が1部で出ていますのでそういうこともあるのかもしれないですね。

高嶋)究極的にはそれがあって普通ですよね。

富坂)そうですね。それがないと困る感じですね。

高嶋)では、まだ北の指導者に対して多少の常識というか、理性を期待しても良いですかね?

富坂)期待しなければいけないですよね……

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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