アリババ創業者ジャック・マーの教育論とは?
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9/5(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
今、十分に遊んでいない子供は30年後に仕事がない
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
これからは知識よりも知恵が必要
高嶋)あの有名な中国のEコマース情報通信産業のアリババというのがありますけども、あそこにジャック・マーという、見ようによっては昔のガンジーみたいな、枯れ木のようなね……(笑)。
富坂)枯れ木のようなおじさんがいますけども(笑)。宇宙人のようだという風に中国でも言われますけど。
高嶋)あの人の教育論が非常に面白いということですが。
富坂)そうですね。2週間ぐらい前に講演して、その中で教育について語っています。中国では話題になっています。彼はこう言ったんですよ。「もし今子供を十分に遊ばせていない親がいたとしたら、その親の子供達は30年後に仕事が無い」。
それはどういうことかっていうと、「これからは知識じゃない。これから重要なのは知恵だ」と。要するに、知識というのは学ぶことができる。しかし知恵は経験の中でしか得られないということなのですね。高嶋)遊びの中から生まれてくるのが知恵だよと。
富坂)そういうことです。だからそこを大事にしていかないと人間は大変なことになるという意味で30年後っていう言い方をしています。彼は、ネット商取引の大ガリバーですが、AIにものすごく取り組んでる。それでこの発想になったと考えられるます。たぶんほとんどの知識と呼ばれてるものはAIが大部分にとなっていく。人間が太刀打ちできない世界になってくると。その中でAIをきちんと利用していける人間が、知恵を持ってる人間ですよと。遊ばせなさいというのはこのロジックなんですよ。
高嶋)そしてまた、そういう教育論を展開しているジャック・マー自身が、そういうようなキャリアを持っているわけですよね。
富坂)この人は大学入試に大失敗しています。数学なんか何回受けても0点だったらしいんですよね。そこで1回大学進学を諦めて、三輪タクシーの運転手をやったりしています。とりあえず英語だけは一生懸命やりたいということで、英語の教師になってくわけですが、理系なんか、ですから全くダメです。英語の教師として視察に行った時にネット商取引を見て、これだと思ったということです。理系全然ダメですから、コンピューターなんかコの字も分からない状態で会社を立ち上げています。そのあたりの嗅覚などは野性的なんですよね。
高嶋)後に業界でいわゆる化けるような人の中には、とんでもない人も結構いますよね。
富坂)います。特に今中国は黎明期で、成功しているところは立ち上げてすごく大きな企業になって巨人になっている。そんな中国の企業のオーナー、ほとんどそうですね。
有名なのは吉利汽車(ジーリー)という、先日ボルボを買った自動車メーカーの李書福という人がいますが、あの人は背広なんかもうずっと同じものを着ている。
それで人の話を聞かない。質問したことにちゃんと戻ってくるってことがほとんど無い、自分でずっと自分の好きなこと考えてやっている。コミュニケーション取れない人で有名なのですが(笑)。そういう人が多いですね。
日本人は学びすぎ高嶋)日本人は学びすぎですかね。
富坂)学びすぎ。気になるのが、起業率が非常に低いです。人から言われたことに対してはものすごくきちんとできますが。アイデアが無いと自分でゼロから作っていくっていうことができません。これからの世界の競争ではちょっとまずいかな、というところがあります。
高嶋)日本人はサラリーマンとしては優秀な人が多い。なるほどね。さっきのボルボ買った人、李書福、ちょっと外れると単なる変わり者で終わっちゃうんですけどね。
富坂)そうなんですよね(笑)。怖いところですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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