埋め立て地帰属で江東区と大田区が裁判~何が起こっている?

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10/30(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

調停案の取り分は江東区で86.2、大田区で13.8
7:02~ ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター 須田慎一郎(ジャーナリスト)

江東区は昔から都内のごみ処理で負担を強いられてきた

東京湾の中央防波堤の帰属を巡り、江東区と大田区でついに裁判となります。オリンピックまで1000日を切り、裁判が長引けは大変なことになってしまいます。詳しいところを経済ジャーナリストの須田慎一郎に伺います。

高嶋)東京湾の中央防波堤の帰属を巡りまして、とうとう裁判に持ち込まれます。調停案では江東区の取り分が86.2で、大田区には13.8しかないということで。最初に聞いたときにはずいぶん一方的だなと思いましたが、歴史を辿ってみるとこうなるのも仕方がない面もあります。40年以上もこの帰属争いは続いてきましたが、須田さんはどう思っていますか?

須田)私は東京生まれ東京育ちですから、帰属問題ではなくて江東区が東京都内のごみ処理で相当な負担を強いられてきたことを意識していました。昭和40年代、50年代から社会問題化していまして、当時のごみの運搬車はけっこうラフで走行中にゴミを落し、夢の島を中心とする埋立地は夏になるとハエが大量発生して江東区のほうに大量に行ってしまう。江東区内のごみならまだしも、他区のごみも江東区を経由して入っていくという相当な負担を強いてきた経緯があります。そういったことを考えてみると、この程度の調停案でいいのではないかと心情的には思います。

高嶋)都に調停案を出した学者3人のうち、2人が弁護士で1人は大学院の教授だという事ですが、彼らは須田さんが言ったようなことを十分に考慮して案文を出したのでしょうか?

須田)というよりも、もともと東京都の役人や官僚のほうがこういう案文で出して、それにお墨付きを与えたことではないかと思います。

埋め立て地帰属で江東区と大田区が裁判~何が起こっている?

オリンピックまで1000日を切っての裁判

須田)その背景には東京オリンピックが影を落としていて、ボート会場を含めてここで行われます。そのときに全く違う区が共同でやると考えると、やはり1つの区で運営したほうがやりやすいということで江東区になっています。

高嶋)大田区のほうは海苔の業者が泣く泣く辞めたと。一応保証はされましたよね?

須田)漁業権放棄で。

高嶋)分からないのは、都の調停案を今の護岸からの等距離線という前例のない方法で決めたことです。これは何なのですか?

須田)ポイントが2つあります。1つは調停案が出てまでもめることがないこと。調停案がまとまってくる段階で紛争当事者が合意してしまうケースが多いです。2つめのポイントは「この方法でどうだ」とそれぞれの護岸から等距離線を引いて線引きをしていくという方法です。

高嶋)公平なやり方ですか?

須田)結論ありきでしょうね。こういったケースは初めてですから。

高嶋)オリンピック施設のボート会場とかも江東区がちゃんと整備してやらないといけませんが、裁判で長引くとどんなことになっていきますか?

須田)負担やインフラ整備など区が予算を組まなければならないところが、宙に浮いてしまいます。ですから提訴に踏み切る前にどうして上手く着地ができなかったのかなと。東京都知事は一体何をしていたのかというところになってくると思います。

高嶋)そこにどうしてもくるかもしれませんね。長い裁判になったらこれまた困ることになりますね。

須田)大田区の区長も引くに引けないでしょう。区民が見ていますから。

高嶋)とりあえずオリンピックの問題については文句言わずに工事をさせ、段取りをつけてやっていくと。それくらい別物にしていかないとちょっと困ってしまいますよね。また小池さんが1つ荷物を抱え込んだのでしょう。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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