トランプ大統領が理解していない貿易赤字の実態とは?
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11/7(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
トランプ大統領の主張は80年代の貿易構造
7:02~ ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター 富坂聰(ジャーナリスト、拓殖大学教授)
多くの韓国企業にはアメリカ資本が入っている
世間はトランプ大統領の来日についての話題で一色です。今日、韓国に向かい1泊して、翌日には中国に行くということです。ジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰さんに、アメリカと韓国・中国の貿易関係について伺います。
高嶋)アメリカの貿易赤字の半分の47%は中国からということですが、冨坂さんの持論では実は、韓国・中国で内部的なからくりがあるということです。
富坂)日本も兵器を買うということで貿易赤字を減らす努力をとしています。かつてP-3C(飛行機)を大量に買って、アメリカ本土を守る5倍くらいのものを持っているというからくりがあります。
高嶋)あの辺は本音でしたね。
富坂)アメリカの選挙戦を通じて、トランプ大統領が貿易の構造を理解していないと思ったことがいくつかありました。例えば韓国にも貿易赤字がありますが、アメリカに対しての受け止め方が日本とは違います。韓国経済は1997年にアジア通貨危機が起きたときに一度実質的に倒産しました。IMF管理ですね。そのときに入った資本のほとんどがアメリカです。だからアメリカは主要な財閥の株を持っていたりしますから、韓国が儲かるということはアメリカの経済と一体化しています。
高嶋)韓国というとまず頭に浮かぶのは『サムスン』や、韓国の車の『ヒュンダイ』がこのごろかなりアメリカに入っています。ああいうところにIMF危機のときに助けに入り込んだ資本はほとんどアメリカということですか?
富坂)そうです。アメリカを潤わせる行動も一部にあるわけです。だからそういう意味で言うと単純なものではない。
高嶋)ただ首を絞めればいいというわけではないと。
富坂)アップルの下請けをサムスンがして儲かったというのも、アメリカとアメリカ資本企業なので、やりやすいところがあります。そういうところでアメリカは韓国に対して少し柔らかいのです。
貿易赤字の40%は“中国にあるアメリカ企業”からの輸入
富坂)中国に対してはもっと柔らかいです。中国というのは中国という製造場所を利用してコストダウンを図りました。日本でもそうですけど、このうちのかなりの部分に日本は入っていますし、最も大きな部分はアメリカです。だからアメリカが積み上げた対中国貿易赤字の40%はだいたいアメリカ企業のものだと言われています。
高嶋)要するにアメリカの貿易赤字の47%は中国ではないかと。不均衡だと表面的には怒っていますが、その不均衡のはずの赤字の4割は実はアメリカ企業が中国に出している企業がアメリカに向けて輸出しているものだと。
富坂)これは南カリフォルニア大学の先生がすでに試算していることです。こういう構造がきちっと説明されれば理解できると思います。
高嶋)それはトランプさんも分かっているのでは?
富坂)分かっていないです。選挙戦のときに私たちは80年代の貿易構造でものを言っているように思いました。いずれ修正されるだろうなということで、アメリカ側でもそういう数字が出てきていると言われているけど。分かっていて言っているかどうか分かりませんけど、そこをガンッと押してくるわけですよね。中国はこの問題で責められてもあんまり痛くはないわけです。
高嶋)だけど日本がアメリカの兵器を買ってことをちょっと収めた。自由貿易協定(FTA)うんぬんの話が出なかったとなっていますけど。中国も何らかの反応を示さなくてはいけないでしょう?
富坂)分かりやすい形でトランプ大統領にお土産を出さないといけないので、それは何にするのかなというとエネルギーを買うのではないかと言われています。中国はロシアからも買っています。それを振り分けてアメリカからも買うとか、食料の輸入をもう少し増やすとかするのではないかと。今の中国はものすごく食料輸入大国ですから。アメリカが作っている30%とかありますからね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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