特別国会閉幕~気になる国会論戦の質の低下
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12/11 (月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
野党は森友・加計問題を引き続き追及していく方針
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
特別国会閉幕~党首討論は年間通してゼロに
第195特別国会は、一昨日会期末を迎え、閉幕しました。安倍総理大臣と野党側による党首討論は実施されず、2000年の制度創設以降、年間の開催が初めてゼロになりました。
10月の衆議院選挙を受け、11月1日に召集された今回の特別国会は一昨日閉幕しました。上記のように、党首討論は年間通してゼロ。それから、今年の通常国会。9月下旬の臨時国会。そしていまの特別国会。この3つを合わせた国会の会期は190日で、これは過去20年でもっとも少ない国会の日数です。
今回の特別国会でも、与野党は森友・加計問題を巡り、論戦を繰り広げましたが、政府側は再調査などに応じる姿勢を見せず、野党側は来年の通常国会でも追求するとしています。
一方、政府は先週の金曜日、少子高齢化を克服し、高い経済成長を目指す「人づくり革命」と、「生産性革命」の政策パッケージを閣議決定しました。3歳~5歳児の幼児教育・保育を原則としてすべて無償化。低所得世帯は、高等教育まで無償化の対象を広げます。総額およそ2兆円の財源を確保しているとのことですが、安倍総理は金曜日、次のように述べています。
安倍総理大臣)2020年を目指して、子供たちの未来に予算を振り向け、社会保障制度を全世代型へと、大きく転換して参ります。
3歳~5歳児の幼児の無償化については、「認可施設以外をどこまで対象にするかは、来年の夏までに結論を出す」ということで、まだ決まっていません。
公明党の要求で盛り込まれた私立高校の授業料は、「年収590万円未満の、すべての世帯で実質無償化」という方針ですが、実施する2020年度までに必要な財源の確保については、まだめどが立っていない状況です。
森友・加計問題に時間がとられ国民生活に直結する問題の議論がされなかった
高嶋)大体、いま出ているのはプロセスですよね。決まったわけではないですよね?
須田)そうですね。
高嶋)そういう意味では、迫力を欠く国会だった、という感じがして仕方がないのですが……
須田)「臨時国会が開かれなかった」というのが、私は非常にひっかかるところです。では、「やることがないのか?」というと、決してそんなことはない。たとえば、働き方改革関連法案。労働時間短縮を柱とした法案とかは、本来ならこの臨時国会でやらなければならなかった。ただ、森友・加計問題ですべての時間が潰されてしまって、本格的な議論はできなかったのかな、という気もします。
高嶋)国会でいろいろテーマがあるならずっとやってね。それで、森友・加計も飽きるまで、「もういいや」というくらいやって。それで、もう終止符を打つとか……ずっとテレビを見ていても、安倍さんが「誠心誠意ちゃんとやります」と口では言うけど、「実際は何も関係ない」というような返答で。それで野党も引くに引けなくなっている。
須田)ただ、野党の方の追求も……私は国会の論戦をもう1度見てみたのですが、そうすると、全部とは言いませんがかなりの部分が新聞とか週刊誌とか、メディアが報道したことを元に質問しているのですよ。独自ネタがなくて、迫力を欠くのですよ。だから、「国会論戦の質の低下」も、1つの背景として、あると思います。
高嶋)世間も「森友・加計自体が作られた事件だ!」みたいに思っている人も多いし。どちらに軍配を上げていいか、わけが分からないことになってきましたよね。
須田)ですから、問題言及は必要なことなのでしょうが、それをやりつつ、もっと他の、我々国民の生活に直結する問題もあるわけですから。そっちもしっかりやって欲しいと思います。
高嶋)党首がいろいろ変わったから、党首討論は聞いてみたかったですね。
須田)ただ、それをやったとしても……先ほども言ったけど、国会の論戦の質の低下を受けてやってみても、深みがある論戦になるのかな、と思いますね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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