オーストリアで右派連立内閣発足~首相のクルツ氏(31歳)とは?
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12/19(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
中道右派国民党と右派自由党による連立内閣
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター高橋和夫(放送大学教授・国際政治学者)
オーストリアで国民党・自由党の右派連立内閣が発足
オーストリアで中道右派国民党と右派自由党による連立内閣が18日発足した。首相は国民党のクルツ党首(31)で、世界最年少の首脳とのこと。
10月のオーストリアの下院国民議会選挙では第1党となっていた中道右派国民党のクルツ党首、結局第3党の右派自由党のシュトラッヘ党首と先週連立政権樹立で合意しました。この2つの党は移民・難民問題について厳しい政策を選挙戦で打ち出して支持を得ておりました。18日に正式に国民党と自由党の連立内閣が発足しまして、首相には国民党のセバスティアン・クルツ党首(31)が就任、オーストリア通信によりますと世界最年少の首脳だということです。副首相には自由党のシュトラッヘ党首が就任しました。
この第3党の自由党は元ナチス党員らが作った政党です。現在は極右的な主張は掲げてはいないのですが、ヨーロッパ全体が右傾化する中でこの自由党の政権入りにはEU(ヨーロッパ連合)の域内で懸念が高まっております。
一方31歳のクルツさんというのは16歳で国民党の青年組織に志願をいたしまして、27歳のときには外務大臣を務めておりました。31歳で現在独身なのですが、10年来交際する女性がいるということです。
ついにEUで右派政権発足 オーストリアとはどんな国民性なのか?
高嶋)内実さっぱり理解ができないのですけど、これはどういう風に見たら良いですか?
高橋)オーストリアは実は中東にとても近くて、ウィーンに行くと「ウィーン南駅」というのがあって、そこにイスタンブールから鉄道がやって来てトルコの出稼ぎや非合法移民がたくさんいるのですね。だからウィーンのその駅に行くと「ここが上野駅だな」という感じで、本当にトルコ系の人がたくさんいて。
かつてオスマン帝国の時代、ウィーンは何度もオスマン帝国の軍隊に包囲されてなんとか持ち堪えたのですけど、今はオスマン帝国の軍隊はいないのですがウィーンの中にはたくさんのイスラム教徒が住んでいて本当にたくさん働いていて、それで社会が回っているというのも確かにあるのですが、代々ウィーンに住んでいる人たちは「外国人に乗っ取られているな」という雰囲気を持つというのは、良いとは思いませんが心情的には分かりますね。
それからもうひとつ考えないといけないのはヒトラーというのはオーストリア出身で、負けてしまったのでオーストリアの人はドイツと距離を置いて自分たちは関係無いようなふりをしていますけど、そういう意味ではある一部の人の間にはそういった人種差別的な雰囲気が元々あるところですよね。セバスティアン・クルツ首相は31歳 世界的に首脳が若年化している?
高嶋)このクルツさんというのはどういう人なのですか?
高橋)非常に若くて本当に早くから政治家に志願した人で「政党に入れてくれ」と言ったら「まだお前は高校生だから無理だ」と言われたが「いや俺だけ特別に入れてくれ」ということで政治に志した人みたいですね。ただこの間の選挙は圧勝ということにはならなかったみたいなのでどうしても連立のパートナーが必要ということで自由党と組まざるを得ないと。
でも自由党はナチス絡みだと皆思っていて、他のEU諸国はこの前に自由党の入った連立ができたときはオーストリアにある意味ボイコットをしてちょっと辛い目に遭わせたのですね。ただ今回は他のEUもとても右傾化していますから、少し雰囲気が違うだろうなという気がしますね。高嶋)フランスにしてもカナダにしても何だか若い人がリーダーになる国が増えて来ましたよね。これは国際的に見ると必然的なものというのはあるのですか?
高橋)おそらく丁度そういうサイクルに来るというのはあると思います。ただカナダの場合トルドー首相はお父さんも偉大な政治家ですから、ある意味“2世議員”ですよね。
高嶋)ちょっと小泉さんを連想したのですが。
高橋)確かに2人共とても魅力的ですよね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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