2022年の冬季北京五輪開催地・張家口市の実情
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2/15(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
北京郊外の張家口市で開催
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
2022年の冬季五輪も北京で開催~アジアに集中する五輪開催地
平昌冬季オリンピックが開催中だが、2022年に開催される次回の冬季オリンピック開催地は中国の北京で、2008年に開催された夏季大会に次いで2度目の開催となる。開催の中心地となる北京郊外の張家口(ちょうかこう)市について、産経新聞論説委員の山本秀也が解説する。
高嶋)平昌オリンピックは風のひどさなどがいろいろと言われていますが、2022年の冬のオリンピックは中国の北京で開催ということです。
山本)厳密に言うと北京と隣で山越しに繋がっている張家口という街です。国境では無いのですが、内モンゴルとの文化的な境みたいな印象で捉えられているところです。
高嶋)発展している都市なのですか?
山本)そうとは言い難いと思います。ただ昔は日本人も住んでいた街で、大平正芳さんなんかもお若い頃は住んでいました。大蔵官僚の若き日にここに日本の公安員という役所の出先として行っておられたと思うのですが、そんな歴史もある街です。
高嶋)政府はどんな取り組みをするつもりなのですかね?
山本)夏の北京五輪でのプレイアップした経験を持ち込んで、派手にやると思います。地域割りという伝統的な考えから言うと、本来は韓国でやってその後中国でというのはあり得ないのですが、それを剛腕で持って来て、しかも夏と冬を続けて同じようなエリアでやってしまう。異例ずくめなのですが、そこは習近平政権の国威発揚の場だという風に見ています。
中国でのウィンタースポーツの実態
高嶋)中国はウィンタースポーツは盛んですか?
山本)大分盛んになりました。私が若いときに中国に関わり始めた頃は、スキーは解放軍の冬季演習で鉄砲を担いで白い布を被って山岳戦闘訓練なんかをやっていて、それが公開されるくらいだったのですが。今は北海道にも来てスキーを楽しんでいる中国人旅行客も増えています。
高嶋)中国の中にもスキー場というのはけっこうあるのですか?
山本)昔の満州国時代から開発されていましたから、あることにはあったのです。
高嶋)ということは、かなりの盛り上がりも期待できますが、中国は面子国家ですから、やはり「金メダルを何個取らなきゃいけない」ということで、力を入れて来るのではないですか?
山本)もちろん今も入れているのですが、今回はパッとしていないですね(笑)。スケートのショートトラックの男子1,000メートル、女子500メートルで30分の間に4人まとめて失格が出てしまいまして、「韓国五輪の運営おかしいんじゃないのか?」といういちゃもん付けみたいな書き込みが中国のサイトにもいっぱい出ていました。
張家口市は開催地にふさわしいのか? 設備などは?
高嶋)中国と言うと何によらず人海戦術、それから共産党政権特有の「ここに何かを作る」と言ったらそこに住んでいる人も皆どかしてあっという間にものを建てるとか、そういうイメージがありますが、そうなりますかね?
山本)ここは山の中なので人がまとめて住んでいるところをどかすということは無いとは思いますが、すごい施設は作っていますね。私は見に行っていないのですけど、相当すごいようです。
高嶋)施設というのは宿泊施設ですか?
山本)競技施設とか観覧施設ですね。北京の郊外と言ってもウィンタースポーツの中心であったわけではないし、張家口というのはお話しした通りで元々は大変辺鄙なイメージのある街でしたから、五輪開催後はウィンタースポーツのメッカにしようなんていうところでしょうかね。
高嶋)なるほど。平昌と比べて気候はどうなのですか? 相当厳しいのですか? 雪は降るのですか?
山本)雪は当然降ります。寒いです。北京から山をひとつ超えるとものすごく寒くなりますから、その意味では冬季五輪には向いているとも言えますけどね。
高嶋)ジャンプ台とかはあるのですか?
山本)あったのか作っているのか、計画は何か見たような気がしますね。もちろん大会までに規格に合う物は当然作ってくるでしょう。
平昌は氷点下20℃くらいになるのですか? 中国は私は-35℃というところにも行ったことがありますが、あそこは鼻水も涙も凍るくらいの温度ですからね。高嶋)2022年、今度は北京の郊外の張家口市で行われるということで、それまでには施設や宿泊設備、それからウィンタースポーツの人気というものを政府が盛り上げようという作戦があるようです。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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