瀬戸内寂聴 ともに四国遍路を歩いた姉に起こった奇跡
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【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】第574回
出家して二年目の春浅い三月、私は姉と二人で、四国遍路の第一番から歩き始めました。姉はその時、二番に行く途中で歩けなくなり、車で帰りました。それが、腸にできていたガンのせいだとわかった時、姉はお大師さんが早く教えてくれたのだと言いました。三年後、亡くなりました。
瀬戸内寂聴
撮影:斉藤ユーリ
《瀬戸内寂聴 新刊情報》
『いのち』 瀬戸内寂聴
講談社刊 定価:1,400円(税別)長い生涯の中で深い縁に結ばれた女流作家、大庭みな子と河野多恵子。
天才的な才能に恵まれたライバル同士である二人の愛憎の激しさを描いた著者の、最期の長編小説になるかも知れない力作です。
胆のうがんの摘出手術から帰還する冒頭のシーンから思わず引き込まれていきます。
『おちゃめに100歳! 寂聴さん』 瀬尾まなほ
光文社刊 定価:1,300円(税別)寂庵に来るまで瀬戸内寂聴が作家であることも尼僧であることも知らなかったという著者。
寂聴さんの秘書になって七年。
常日頃共に過ごしているからこその、瀬戸内寂聴の日常を綴ったエッセー。
読んでいると思わず顔がほころびます。