アメリカと北朝鮮をつなぐパイプ「デトラニ・コネクション」とは?
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4月9日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②
米朝首脳会談~北朝鮮が平壌開催を提案か
7:10~ お早う! ニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
米朝首脳会談~北朝鮮が朝鮮半島の非核化を協議する意向を伝える
アメリカCNNテレビは先週末、複数のアメリカ当局者の話として、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談について、「北朝鮮側が平壌開催を提案した」と報じた。これにアメリカが応じるかどうかは不明である。平壌の他に、ウランバートル(モンゴルの首都)も候補地の1つにあがっている等、さまざまな情報が飛び交っている。
飯田)このニュースに関連して、米朝首脳会談で、北朝鮮は「朝鮮半島の非核化を協議する意向を初めて伝えた」と、共同通信が報じています。アメリカの政府当局者が明らかにしたそうですが、どうですか? 北朝鮮はカードを矢継ぎ早に切っている感じもありますが。
須田)その意味では、最初にして最後のチャンスと考えているのでは、と思います。それと、いまの非核化の協議に関するニュースですが、「直接伝達した」という形を取られているでしょう?
飯田)そうですね。「直接伝達した」と書かれています。
須田)この「直接」が1つのポイントなのです。これまで米朝協議に関して言うと、韓国が仲立ちになっていました。特に首脳会談については、「文在寅大統領がトランプ大統領に提案した」みたいな形で言われていますが、そうではないのです。実は、以前からアメリカと北朝鮮の間には、こうした協議をする、提案をしあう特別なルートがあります。
飯田)いわゆる「パイプ」みたいなものが?
須田)そうですね。これから日米あるいは米朝の会談が開かれていく中、恐らくいろいろなメディアが取り上げ始めるでしょうが、ぜひ頭の中に記憶していただきたいのが、「デトラニ・コネクション」です。デトラニさんという方がいらっしゃいまして。
デトラニ氏は元CIA局員であり、ポンペオ現国務長官ともつながりがある
飯田)「デトラニ」は人名なのですね。
須田)コネクションですから、ある種のグループのように考えてもらっていいと思います。そのトップがデトラニさんです。彼は元CIA局員で、最終的なポジションは東アジア作戦部長という、幹部を務めた方なのです。
この人に注目する理由です。実は報道ベースにはほとんど出てこないのですが、2012年にCIA時代のデトラニさんが平壌を極秘訪問し、北朝鮮サイドと協議を行った形跡が出てきている。その後も、マレーシアのクアラルンプールで、北朝鮮の外務省事務次官と面談し、ここでも協議している。このルートはずっと残ってきているのです。実は、トランプさんが今回金正恩さんと会談する状況に持って行ったのは、デトラニ・コネクションなのですよ。
実はデトラニさんの下には、共和党から民主党に跨がるさまざまなメンバーがいまして。なので、個人的な動きでやっているのではなく、ある種のグループ的な動きなのです。おそらくトランプさんは、この北朝鮮との協議に関して、いくつかのチャンネルを使っていたはず。そして最終的につながったのが、デトラニ・コネクションだった。実は、このデトラニ・コネクションを担っている人で、ポンペオさんという方がいらっしゃいます。飯田)ポンペオさん! 最近ニュースで見ました。
須田)前CIA長官で、退任後に国務省長官になった方です。
飯田)表の外交トップですよね。
須田)ですから、その意味で言うと「何故ティラーソン国務省長官と変わったのか?」というのも、そこに実は理由があるのです。
飯田)これは表の国務省ルートではなく、CIAルートで行くぞ、と。
須田)平昌オリンピックのとき、ペンス副大統領が訪韓し、金正恩の妹、金与正さんと会談するという計画があった。結果的には「会談2時間前に北朝鮮が断ってきた」と報道がありましたが、その後に朝鮮中央通信を通じて、北朝鮮は「こちらから断っていない」と否定したのですが、それにより、「やはり会談は予定されていたんだ」と明らかになりましたね。実は、ペンスさんと金与正の会談を仕掛けていたのが、デトラニ・コネクションということです。
トランプ大統領の北朝鮮への発言は、綿密に計算されたもの
飯田)いろいろなパイプが生きているのですね。では、「北朝鮮と会談した韓国特使がトランプさんに会いに行ったとき、「じゃあいつでも会うよ」みたいに、いきなり言った」みたいな報道がありますよね。
須田)あるわけないじゃないですか。いくらトランプさんがああいう性格の人でも、そんなリスクのあることはしませんよ!
飯田)あれも緻密に裏で協議があって。それで、ここまであがってきた話だと?
須田)そうでなければ、まるでトランプさんがバカみたいじゃないですか!
飯田)日本ではそんな報道もあるじゃないですか。
須田)逆に言えば、そんな報道ばかりなんですよ。
飯田)では、そういうわけではなく、綿密に計算されている?
須田)綿密なすり合わせがあって、それが表面に出てきたのが、平昌オリンピック後の米朝首脳会談へ向けての協議だっただけなのです。ところが、日本メディアが慌てふためいてしまって。「何が起きているのかさっぱり分からない」という状況なのだと思います。
飯田)しかし、それで日本は「梯子を外される」みたいなことも言われています。これはどこまでコミットできているのでしょうか?
須田)ハッキリ申し上げて、「米朝首脳会談が開かれる」というのは、寝耳に水です。ただ、それに至る経緯として、「北朝鮮が何故、そこまで降りてきたのか? 譲歩してきたのか?」というと、やはり経済制裁を中心とする圧力が効いているのは間違いないわけですから。その意味で言うと、全面的にはコミットしていないけど、半分くらいは日本の役割は大きかったのかな、と思います。
飯田)その辺、来週の首脳会談で明らかになる部分もあるかもしれませんね。
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