4月6日　FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ！⑤

南北実務会談終了
7：45～　ココだけニュース　スクープUP！：コメンテーター潮匡人（元航空自衛官・評論家）

板門店の北朝鮮側施設「統一閣」で、閣僚級会談に臨む韓国側首席代表の趙明均統一相（右端）と北朝鮮側首席代表の李善権・祖国平和統一委員長（左端）ら＝2018年3月29日（韓国取材団・共同）　写真提供：共同通信社

今回の電撃訪中以降の予定は2000年の訪中と酷似している

南北実務会談が終了した。北朝鮮はこの後は南北首脳会談、米朝首脳会談と進んで行く予定である。この流れは、2000年の訪中と同じ出来事を繰り返していると指摘されている。

飯田）南北実務会談終了。この先の朝鮮半島情勢について、今月27日には板門店で南北首脳会談が予定されているということですが、どうも一気に雪解けみたいになってきていますが、この先どうなると思いますか？

潮）実は2000年にも今回と同じように、当時の北朝鮮の最高指導者が中国を電撃訪問し、中朝首脳会談が開かれた。実は当時の議論と現在の議論も同じなのですが、当時（2000年）、その後どうなったか。まさに今回と同じように、翌月に南北首脳会談が開かれた。その後、米朝首脳会談も開かれる予定でしたが、さまざまな政治的事情で流れました。しかし、アメリカの国務長官が平壌へ行って歓待され、一気に融和的ムードが広がっていった流れになったわけです。今回、そのときと同じことが再現されるとすると、月末の南北首脳会談は予定通り開かれるということになるでしょう。しかし、その翌月に開かれる予定の米朝首脳会談は流れるかもしれない、ということも言えると思うし、あるいは仮に流れたとしても、2000年と同じように、一時的にせよ融和的なムードが拡大していくことも起こり得るという風に思います。ただ、これまでのアメリカ大統領とはかなり異質な方が現在政権をやっているので、これまでと同じ流れになるかどうか、まさに予断を許さないところだと思います。ですが、確実にいま言えるのは、今朝の日経新聞でも報道、というか日経がスクープしたことだと思いますが……。

金正恩氏が「6カ国協議復帰」姿勢示す～歴史の繰り返しを考えると、手放しに融和ムードを歓迎できない

飯田）これ、1面トップでもおかしくないネタですよね？

潮）これは金正恩氏が電撃的訪中をしたとき、中朝首脳会談の場で、「6カ国協議に復帰する」という姿勢を示したことを日経が報じているわけですが、その事実の可能性は高いと思います。今回出ているさまざまなキーワード。「朝鮮半島の非核化」や、同時に「段階的な措置を講じて～」というキーワード。まったく同じではないにせよ、2000年代の6者協議、6カ国協議でも出てきたキーワードです。
実はその前の90年代の、米朝枠組み合意から続く考え方なので、そうなる可能性は高いのですが、そうなるとすると、これまでの25年間、朝鮮半島を中心に辿ってきた歴史を繰り返すことになってしまい、そうなると1月末にCIA長官、今度国務長官になる方が、「2、3ヶ月以内にICBMが完成する」と言い、その後大統領が「very soon」ともっと差し迫った表現で言っているわけですから、25年間、またこれから繰り返したら、北朝鮮は何発の核を持つのか。ICBMを100発くらい持ってしまうのではないか、という恐ろしい展開になるわけです。「戦争が回避された。融和ムードが広がってよかった」と手放しに歓迎できないのは、忘れてはいけないと思います。

日本はアメリカとリスクを負担する気構えを持つべきである

飯野）日米首脳会談も再来週控えていますが、「アメリカは下手な妥協するなよ」と、日本の立場からは言っても言い足りないですね。

潮）もちろんそうですし、よく言われている通り、「拉致問題などを議題にあげるべき」だという日本の立場は、おそらく伝えられると思います。ただ、たとえばトランプさんやアメリカの立場で見れば、「じゃあ、日本は何してくれるんだ？」という答えの中で、たとえば軍事的には憲法9条の縛りがあって貢献できないというような事情を抱えている日本として、この問題をどう考えるのか。私は、一緒に戦えとまでは言いませんが、リスクを負担するという最低限の気構えもなしに、他人事のように論法するのは、左右どちらの立場であれ、無責任と思います。

飯野）憲法改正も含めて喫緊の課題というか、いますぐやらないと間に合わないかもしれない。

潮）そう思います。

飯田浩司のOK! Cozy up！
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