米韓合同演習が規模縮小した本当の理由とは?

By -  公開:  更新:

4月2日 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②

今回のキーワードは「米韓合同演習」
7:27~教えて! ニュースキーワード:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

米韓合同演習が規模縮小した本当の理由とは?

アメリカは当初の目標を達成し、従来通りの米韓合同演習をする必要がなくなった

昨日から始まった恒例の米韓合同演習。期間が去年の半分となり、原子力空母の派遣も見送られたことから、南北首脳会談や米朝首脳会談を前に、北朝鮮に配慮して縮小したものと見られている。

飯田)もともと、毎年行われているという米韓合同演習ですが、フォールイーグルという、陸上の部隊も使っての実際の演習。それから、キーリゾルブという、指揮所演習というのも含めてやるわけですが、今年は縮小されたと見ていいですか?

須田)はい。縮小されたと見ていいでしょう。実は私は先々週末~先週末までワシントンへ取材に行っていたのですよ。その取材結果ですが、ここで初披露となります。
日本国内では、「米朝首脳会談を前提に、北朝鮮に配慮して縮小した」という表現が多いのですが、違います。

飯田)これ、違うのですか?

須田)「従来通りの米韓合同演習をする必要性が、アメリカにとって無くなった」ということなのです。合同軍事演習のねらいは2つあり、1つは北朝鮮を、これは言い過ぎかもしれませんが「挑発する」ということ。朝鮮半島の軍事的緊張を高めるということです。
2つ目が、圧力を加えて、北朝鮮の情報を引き出すことが狙いだったのです。その点で言うと、北朝鮮サイドがアメリカに対し首脳会談を持ちかけてきた時点で、当初の目標は達成できたのですよ。なので、お金を使ってまでそんなこと(米韓合同演習)をやる必要がない、ということです。

飯田)去年みたいに空母を出して大規模なことをやると、すごくお金、税金がかかってしまう。では、当初の目的は達成して、次の段階に入ったということですか?

韓国のTHAAD、日本のイージス・アショア導入~軍事産業でも成果を上げたアメリカ

須田)取材して意外だったのですが、アメリカ、あるいは米軍にとって、北朝鮮の弾道ミサイルは対した問題ではない。「そもそも、そんなに脅威ではない」と。
いまのアメリカのミサイル防衛態勢というのは、多弾頭ミサイル。たとえば、中国は1つのミサイルに5発の弾頭が、ロシアには6発の弾頭が入っていると言われています。それが飛んでくると、5、6箇所に向かって飛んでいく。

飯田)途中でバラけるのですね。

須田)そうです。それに向かっての防御態勢をとるシステムをとっているわけですから、北朝鮮の単弾頭は、さほど脅威ではないということです。

飯田)簡単に撃ち落ちせる、ということですね。

須田)では、何故それをことさらに「脅威だ!」と言い募ったのか。
1つは、朝鮮半島の軍事的緊張を高めることにより、何が起きたか。韓国はTHAADミサイルの導入・配備を決めましたよね。

飯田)そうでしたね。中国がエラい反対していましたけど。

須田)日本はイージス・アショア。陸上型のイージス鑑の迎撃システムを導入しましたよね。それでいちばん美味しい思いをしたのは、アメリカの軍事産業です。

飯田)あっ、なるほど!

須田)それについても一定程度の成果を得たし、それに加えて北朝鮮に対して軍事的圧力を加えていくということは、そこに軍隊を配備するということですから。これがいちばん脅威に思っている国はどこか? 中国ですよ。中国に対してプレッシャーをかけることも、一定の成果を得た状況なのです。

飯田)アメリカからしたら、一石二鳥、三鳥に……。

須田)そうなったのですよ。そこへ持ってきて北朝鮮が危機を覚え、首脳会談を持ちかけてきた。そして、アメリカがそれに乗っかった、ということです。

核問題・拉致問題に関して、日本はトランプ大統領に期待するしかない

飯田)日本にとっては、中型というかあまり射程の長くないミサイルが日本を狙っていて。その上、核を積まれたらたまったものではない。アメリカには「核放棄だけは絶対にやってくれよ!」というのは、言わなければいけないですよね。

須田)ええ。その点で言うと、どこが決着点になるのか? 金正恩氏にとっても、核の全面放棄なんて、やるつもりはさらさら無いのですよ。つまり、交渉に入ることが大事なのです。「全面放棄する」と言っても、1ヶ月後、1年後に放棄する、というわけではありませんから。「10年後に放棄します」となったらどうなるかを考えてみなければいけない。

飯田)段階的、みたいな話は中国との話の中で出てきたと言いますよね。

須田)その点で言うと、10年後、20年後というのは、放棄していないも同然じゃないですか。

飯田)本当ですよね。そうならないようにするためには、日本としては歯がゆいですがトランプさんの手腕に期待するしかない?

須田)ええ。もう1つ、拉致問題ですね。これについても、トランプさんに期待せざるを得ない状況になってきているわけです。

飯田)ニュースキーワード、今日は「米韓合同演習」についてお送りしました。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組HP

忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。

Page top