イラク日報問題~整理すべき3つのポイント

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4月17日 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!③

存在しないイラク日報435日分を防衛省が公表
7:18~お早う!ニュースネットワーク その2:コメンテーター 有本香(ジャーナリスト)

存在しないイラク日報を防衛省が公表

防衛省が存在しないとしていた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題、昨日これまでに発見された435日分の日報、およそ1万5千ページを防衛省が公表した。日報では自衛隊が宿営地を置いたイラク南部サマワの治安情勢に関して「戦闘が拡大」と表現されるなど、「戦闘」「交戦」という言葉が複数記されていた。

飯田)今から10年以上前、2004年から2006年の期間中に作成された日報。古い証文といえば証文ですが。

有本)そうですね。小泉政権時代、戦闘地域か非戦闘地域かと国会でもやり取りがあって、小泉さんの名答弁、迷うという字を書く方かもしれませんが「自衛隊の行くところが非戦闘地域である」と。

飯田)論理をひっくり返したような答弁もありました。

文書管理のあり方

有本)この問題は整理しなければいけません。ポイントは3つあると思います。ひとつは見出しにもなっているように、存在しないとしていた日報が見つかる。これは文書管理において極めてよくないです。これについて防衛省だけではなく、今、役所の文書管理はどうなっているのだという問題があります。今後全ての役所、特に防衛省という機密の多いところの文書をどのように取り扱っていくかという、文書管理のあり方、これを今後はっきり決めて行かなければいけないと思います。

飯田)日報というものが、今は他の公文書と同じで基本的に公開する形になっていますが、公開非公開のジャッジをする、それでいいのかも含めて考えていかなければならない。

即時公開するような性格の日報ではない

有本)諸外国では省庁ごとにというよりも、全体の公文書をどう管理するかという専門職があります。これを日本も導入すべきではないかと私は前から思っています。その上で2番目の問題は、自衛隊の日報というのは諸外国においては「戦闘速報」などと表現するものであり、極めて公表にそぐわないものです。つまり日報が即時公開されると、作戦がどのように遂行されているか、あるいはどのような陣構えになっているかということがみんな分かってしまう、という話になってしまうわけです。一定の年月が経って戦史という意味で公表されるのは構わないけど、何が何でも公表する、あるいはリアルタイムに近いもので公表していくのだと、そういう性格のものではないだろうということ。そういうことも含めて整理していく必要があるだろうというのがひとつ。
3つ目は、今の自衛隊という存在で、PKO派遣も含めて、どう判断するのかということですよね。

飯田)戦闘と書かれちゃうと憲法9条違反になる、戦力ではないかという議論に陥ってしまいます。

有本)PKOの新たな任務付与という話が去年もありました。あの任務が付与されていない2004年から2006年でも、自衛隊の皆さんは随分現地でご苦労されていたのだなと、逆に読み取れます。

飯田)現場に矛盾を押し付けていいのかと。

有本)押し付けていたわけですからね。

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