衣笠祥雄、あの日のフルスイング

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衣笠祥雄、あの日のフルスイング

プロ野球 大洋ー広島 現役最後の504号ホームランを放った広島・衣笠祥雄
撮影日1987年10月22日 提供:産経新聞

「草野満代夕暮れWONDER4」(4月24日放送)では、4月23日に71歳で亡くなった元広島の衣笠祥雄さんのエピソードを紹介しました。

かつての世界記録「2215試合連続出場」ばかりがクローズアップされる衣笠さん。しかし、意外と見落とされているのが、衣笠さんは「ホームランバッター」だったということ。通算ホームラン数は504本。これは歴代7位の記録です。

実は衣笠さん、23年間のプロ野球生活で、3割を打ったシーズンはたった1度しかありません。狙えば、何度でも3割を打てたはずなのに、それをしなかったのは、常に「ホームラン」を追求していたからです。三振の数は、歴代9位の1587個。豪快なフルスイングで「ホームランか、三振か」…それが衣笠さんの美学でした。

プロ6年目の終盤から、連続試合出場がスタートします。ケガをしても休まず試合に出続け、常にフルスイングをしていきます。

そんな衣笠選手に、絶体絶命の危機が訪れます。記録がスタートして10年目の8月、巨人・西本投手から、背中にデッドボールを受けてしまったのです。診断の結果は、左肩の肩甲骨(けんこうこつ)の骨折。「さすがに、今度ばかりはムリか……」と思いましたが、朝起きたら奇跡的に腕が上がり、翌日の試合、衣笠選手は代打で出場。巨人のエース・江川投手と対決します。

連続出場を途切れさせないためなら、ただ立って、見逃し三振をしてもよかったのですが、それは自分の美学に反すると、なんと衣笠選手は、激痛をこらえ、江川投手の剛速球をフルスイングで打ちにいったのです。

結果は三球三振でした、しかし、バットを振り抜いての三振でした。試合後、衣笠選手はこうコメントしました。

「1球目はファンのために、2球目は自分のために、3球目は、僕にぶつけた西本君のためにスイングしました」

「鉄人」のフルスイングは、今もファンの記憶に深く刻み込まれています。

 

草野満代 夕暮れWONDER4
FM93AM1242ニッポン放送 月曜-木曜16:00-17:40

番組情報

草野満代 夕暮れWONDER4

毎週月曜〜木曜 16:00 - 18:00

番組HP

素敵な音楽&豊かな暮らしを、あなたに!「草野満代 夕暮れWONDER4」
(放送は2020年7月2日まで)

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