衣笠祥雄、あの日のフルスイング
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「草野満代夕暮れWONDER4」(4月24日放送)では、4月23日に71歳で亡くなった元広島の衣笠祥雄さんのエピソードを紹介しました。
かつての世界記録「2215試合連続出場」ばかりがクローズアップされる衣笠さん。しかし、意外と見落とされているのが、衣笠さんは「ホームランバッター」だったということ。通算ホームラン数は504本。これは歴代7位の記録です。
実は衣笠さん、23年間のプロ野球生活で、3割を打ったシーズンはたった1度しかありません。狙えば、何度でも3割を打てたはずなのに、それをしなかったのは、常に「ホームラン」を追求していたからです。三振の数は、歴代9位の1587個。豪快なフルスイングで「ホームランか、三振か」…それが衣笠さんの美学でした。
プロ6年目の終盤から、連続試合出場がスタートします。ケガをしても休まず試合に出続け、常にフルスイングをしていきます。
そんな衣笠選手に、絶体絶命の危機が訪れます。記録がスタートして10年目の8月、巨人・西本投手から、背中にデッドボールを受けてしまったのです。診断の結果は、左肩の肩甲骨(けんこうこつ)の骨折。「さすがに、今度ばかりはムリか……」と思いましたが、朝起きたら奇跡的に腕が上がり、翌日の試合、衣笠選手は代打で出場。巨人のエース・江川投手と対決します。
連続出場を途切れさせないためなら、ただ立って、見逃し三振をしてもよかったのですが、それは自分の美学に反すると、なんと衣笠選手は、激痛をこらえ、江川投手の剛速球をフルスイングで打ちにいったのです。
結果は三球三振でした、しかし、バットを振り抜いての三振でした。試合後、衣笠選手はこうコメントしました。
「1球目はファンのために、2球目は自分のために、3球目は、僕にぶつけた西本君のためにスイングしました」
「鉄人」のフルスイングは、今もファンの記憶に深く刻み込まれています。
「草野満代 夕暮れWONDER4」
FM93AM1242ニッポン放送 月曜-木曜16:00-17:40
番組情報
素敵な音楽&豊かな暮らしを、あなたに!「草野満代 夕暮れWONDER4」
(放送は2020年7月2日まで)