大学授業料~「無償化」を「出世払い制度」にする理由
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5/23FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!④
キーワードは「大学授業料の出世払い制度」
7:27~教えて!ニュースキーワード:コメンテーター高橋洋一(数量政策学者)
授業料の無償化を消すためのもの?
自民党の教育再生実行本部は昨日、大学などの高等教育の授業料について、いわゆる出世払い制度を柱とした提言をまとめ、安倍総理に申し入れた。この制度は大学などに在学中は国が授業料を立て替え、卒業後に学生が所得に応じて返還するという制度になっている。
飯田)教育再生実行本部。ちょっと前までは教育無償化、その財源は教育国債を出そうというような議論をしていたところだと思っていたのですが。
高橋)私も去年、教育再生実行本部の会合に出た時にそういう話をしていましたが、この1年でずいぶん変わっちゃいましたね。去年の段階でも出世払い制度というのはありましたけどね。
飯田)議題にはのぼっていたのですね。
高橋)熱心に推す方がいて。これははっきり言うと財政当局の人です。教育無償化にストップかけたいから。去年、低所得者に対する無償化というのはできています。低所得者のところから広げていって、だんだん全体を無償化にするという流れなのですが、この話は逆になっていますよね。財政当局が盛り返してきたのですかね。
飯田)制度を見ると、無利子の奨学金と変わらないのではないかと。
高橋)変わらないです。所得に応じて返済額を変えるとこだけは変わらないので、今の制度と似ていますが、財政当局の案の方がやりやすい、やりたい、無償化を消したい。そういう意図があるんですよ。
飯田)政治的な闘争のような。
所得税を払えば支出は賄える
高橋)本当は教育国債にして全員無償、あとで給料の高い人は税金で返す。これが一番すっきりしているんです。収入が低い人は税金も低いからそんなに返さなくてもいい。すごくうまくいった人は税金でしっかり払う。出世払いというのがそれが普通なんです。収入を得るようになってから、高い税金、低い税金にかかわらずに上乗せしてお金を取ろうとしているわけだから、ちょっと流れからは逆行しているように私には見えました。
飯田)教育国債で無償化していても、最終的には税金を払うという意味で出世払いと。
高橋)戻すということですよね。特に沢山稼いだ人は沢山払う。それでいいのですよ。それにさらに返済金を求めるというのは、余計に金をとるということです。
飯田)この制度をやっちゃうと、アメリカで社会問題になっていますけど、結局返済に困っています。今回、給与所得の9%を天引きのような形だそうですね。
高橋)きつい話ですよね。所得税を払えばいいというのが普通の制度で、教育というのは投資効果があるから、大人になって所得税を払う形でも、前に支出したお金の分は賄えます。だから、そもそも上乗せして取る必要もないのです。
飯田)こういうのがこのタイミングで出てくるというのは、6月に策定される『骨太の方針2018(=経済・財政一体改革の新たな計画)』との関係は?
高橋)もちろんそれです。今、動きがあってね、財務省はセクハラ問題とかがあって立場が弱くて言いにくいでしょ。だから周りの人がこういう形で事務方を使ってやってるんじゃないかなと、私には見えております。
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