米朝首脳会談目前~その実情はぶっつけ本番か
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6/8 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!⑤
12日の米朝首脳会談に向けシンガポールでは準備が加速
7:46~ココだけニュース スクープUP!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)
北朝鮮の要人の往来が活発に~会場準備進む
米朝首脳会談の舞台となるシンガポールのホテルでは、壁や柱の塗り直しや看板を磨く作業が行われていて、準備が進められている。そんななかでシンガポールのバラクリシュナン外相は7日北朝鮮を訪問し、李容浩(リ・ヨンホ)外相と会談した。金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長ナンバー2とも会う予定で、首脳会談に向けた最終的な打ち合わせが行われる見込み。
飯田)儀礼関係の先遣隊として打ち合わせをしていた金正恩委員長の執事とも呼ばれていたキム・チャンソン国務委員という人は北に戻るかと思われていましたが、再びシンガポールに向かったということで、往来がはげしくなっていますね。
宮家)こんな土壇場になって物事が進む首脳会談なんて殆ど例がないですよ。普通首脳会談というのは何カ月もかけるものです。下から積み上げていって、最終的な上澄みが首脳会談で話されるわけです。今回は日にちが決まり場所が決まって、中身がまるで決まっていない。やっと物事が動き始めたというのですから、聞いたことも見たこともない会談になると思います。
飯田)外交官時代は当然首脳会談の仕切りも宮家さんはやられましたけれども。
宮家)仕切りまではやっていないですが、何度か経験はあります。日本人は特にそうだけれど綿密に打ち合わせをして計画を作り、車をどう並べてどういう風に走らせるかを全部やるわけです。これは大変だと思いますよ、数週間しかなくて実質的には何も決まっていないと思いますよ。ぶっつけ本番でしょう。恐らく最後の非核化の部分については。これはみんな必死ですよ。
飯田)ここは必死にとりあえず形だけでもなんとかしなくてはいけないと。
宮家)みんな独裁者的な怖い人たちだから、1つ間違えたら大変なことになりますよ。だから一生懸命やらなくてはいけない、時間はない。相手は全然言う事を聞かない。やっていられないよね……。しかしやらざるを得ないのだから、仕事とはいえ大変だなと思います。
北朝鮮のどこに核があるのか~ここからは狐と狸の化かし合い
飯田)中身のほうがどこまでというところで、北の弾道ミサイルの実験施設の発射台が撤去されたのではないかという話も出ています。こうやって北も軟化姿勢を見せるパフォーマンスはやるわけですか。
宮家)問題は核の計画そのものだから。まだ気を緩めてはいけないと思います。昔だってあったじゃないですか、冷却塔を爆破して、あれで終わったかと思ったら終わっていなかったじゃないですか。
飯田)イランの一連の核の問題もそうですけど、アメリカは情報を把握した上で「ここにあるだろう」と言えた。北に関してはそういう情報というのは返って来ないわけですか?
宮家)ある程度持っていると思います。話が上手くいって北朝鮮は「こことここにあります」と言って、アメリカは「あ、そうなの」といくけれど、実はそれ以外にもアメリカは情報を持っていて後から指摘することも十分にあり得るので。アメリカは相当のことを知っていると思います。だから隠すわけにはいかないけれど、上手く狐と狸の化かし合いをこれからやると思います。
飯田)そうすると誰がどう査察に入るのか、それがポイントになってくるというわけですか。
宮家)嘘をつけないような状況を作れれば1番いいのですけれどね。そこの駆け引きが本格的に始まる。1回ではそこまでいかないでしょう。2回3回で本当にやるんだったらそういう議論が進むのだけれど、悪魔は細部に宿るわけだからそこで止まる可能性は十分にあると思います。
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