6/8 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②
日米首脳会談開催
7:10~お早う! ニュースネットワークその1:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)
今回の米朝会談で北朝鮮の核全面放棄はない
米朝首脳会談を4日後に控えるなか日本時間今日未明、アメリカを訪れている安倍総理大臣とトランプ大統領が会談し、その後共同記者会見を開いた。
飯田)この日米首脳会談、その後の会見もご覧になって如何ですか?
宮家)準備は着々と進んでいるということですよね。これまでもトランプさんと安倍さんの間では相当突っ込んだ議論をしてきたと思います。6月12日にやると決めてさあ、どうするかと。
簡単なのは金正恩さんが「恐れ入りました、これからは頑張ります」と言うことですが、そんなことを言うわけはないです。トランプさんとしては、本当は一気にやりたいところだけれど、ある程度時間を置いても仕方がないかなとだんだん傾いてきた。今回を見ているとトランプさんは挑発されるとポロポロと話してしまう。非常に分かりやすい人ですよね。
彼の基本的な考え方は変わっていなくて、最終的に北朝鮮に核を放棄させるつもりでいる。ただ現実問題として北朝鮮の特に国内、軍の関係者からするとこういうことは面白くないかもしれない。そういうことを考えるとなかなか一気にやることは難しいでしょう。彼は今回の記者会見で「とにかく合意を署名するのか」と言われて「ああ。その可能性はある」と。最終的に何と言ったかというと「実は簡単な方なんだ」と。「もっと難しい話がその後来るのだ」と言っているわけです。
だとすると6月12日は大きなサプライズはないということです。すなわち北朝鮮が全部を放棄するわけではなくて、まずは戦争の問題、休戦協定を戦争終結にする非常に象徴的な内容ですが、それを受け入れることはあり得ると思うのです。「米朝会談は1度ではない」と考えるトランプ大統領
宮家)その後どうかというと、問題は核の放棄です。これについてはまさに詰めていく、経済援助もするから早くやりなさいよというところで、恐らく北朝鮮はまだ腹を括っていないと思うのですよ。しかしながらここである程度動きが見えてきたから、北朝鮮にある程度マッサージを続けるためにも1回ではなく2、3回を考えているのかもしれません。それに対しては当然のことながら「何を言っているんだ、いままでやられてきたじゃないか。2度あることは3度あるんだ、3度目の正直なんてないんだ」という意見もあります。そういう意味では6月12日というのは非常に重要になりつつあると思います。現実的に考えたときに北朝鮮に最後のチャンスを与える。だからこそ最大限の圧力というのをいまは言わない。ですからそんなに滅茶苦茶なことをやっているわけじゃなくてそれなりに考えてやっている。しかも日米の間では恐らくトランプさんの考えている交渉や議論の幅と、安倍さんの考えている幅はそんなに大きく違うとは思っていません。恐らく安倍さんもトランプさんの考えが分かったのだろうと思います。
しかしそのような中で拉致問題についてあれだけ強い意志をトランプさんが表明したこともあって、全体的にはいいのではないかなと思います。拉致問題解決にはトランプ大統領も協力的
飯田)拉致問題は米朝の首脳会談で必ず取り上げるんだということをトランプ大統領は言っていました。
宮家)取り上げても向こうがどのような反応をするかですけれどね。どちらにしても、この問題は日朝でやらなくてはいけないですから。日本にとっては拉致問題も含めてパッケージなので。拉致問題が動かなかったら経済援助なんてできませんよと、ある程度開き直らなくてはいけないと思っています。
飯田)核廃棄に向けた道筋ですが、まず今回の入り口として朝鮮戦争の休戦協定をいまやっていますけれども、これはもう一歩進めたものを出すと。
宮家)戦争状態が終結したと宣言するシンボリックな話ですけれども、その気になればまた始めればいいので向こうにとっても殆ど意味はないです。だけどもこれからアメリカが突然奇襲攻撃をかけてくるだとか、斬首作戦をやるとかいったことはないと北朝鮮に理解させた上で更なる譲歩を狙う。それが本当に上手くいくのかやってみなければわかりませんが、トランプさんはそれ以外にも「途中で席を立つことはあるのか」というと「勿論ある」と言っています。トランプさんのやっていることがようやく形になってきたと思います。
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