金正恩委員長が拉致被害者を解放する可能性は?
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5/29 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!②
米朝会談前に、日米首脳会談開催へ
7:11~お早う!ニュースネットワーク その1:コメンテーター有本香(ジャーナリスト)
金正恩委員長の代で拉致問題を解決するということ
米朝首脳会談開催に向け、各国の調整が活発になる中、昨夜午後9時半過ぎからおよそ30分間、安倍総理はトランプ大統領と電話で会談を行った。会談後、記者団に対し、米朝首脳会談開催前に、日米首脳会談を行うことを明らかにしている。
さらに総理は拉致問題について、今日お目にかかった拉致被害者の家族から話を伺い、その気持ちをトランプ大統領に伝え、解決は絶対に必要で重要だと話したと述べている。飯田)拉致問題について、ご意見頂いています。山梨県大月のさちママさん「このタイミングを逃してもらいたくない。米朝の会談後の日本政府の動きが重要だと思います」というお便りです。
20年前、森喜朗元総理のときにあった北朝鮮との拉致被害者交渉
有本)先々週にこちらのスタジオに拉致被害者家族会の横田拓也さんとご一緒して、私たちも思いは同じなのですが、総理ももちろんご自身が政治家になられる前、秘書時代からこの問題にかかわって来られているので、思いはひときわだろうと思います。
先ほどからもお話しをしているように、米朝首脳会談へのシナリオ、これは日本の安倍総理側が主導してきたという側面があって、シンガポールでの開催ということもそうです。
ちょっと古い話ですが、昔、森喜朗元総理のときに、拉致問題について当時の北朝鮮は公式には認めていませんでした。飯田)小泉元首相訪朝前ですよね。
有本)20年近く前ですけど、このときに第三国で「拉致被害者の方々とこちらからご家族が行って、会って、そこで偶然行方不明だったのが見つかった」というテイでいいから返さないかという話があったということがありました。あの辺の歴史を振り返る必要があると思っています。これを森さんが当時のイギリスの首相のブレアさんに頼んで、その場所として濃厚だった一つがシンガポールです。
飯田)シンガポール政府も前向きだったという話だったそうですね。
有本)シンガポールかマレーシアか、つまり旧イギリス領ですね。MI6というイギリスの諜報機関、こういうところとも連携しなければ、それは実現不可能だった話です。
飯田)イギリスと北朝鮮とは国交があるし。
有本)当時は国交を結ぶ直前だったのですが、接触が深いということもあって、森さんはこれをブレアさんに直接日英首脳会談の席で持ちかけたのです。だけどそれが日本のメディアで大騒ぎになって、こんな秘密の作戦を他国の首相にべらべら喋るなんてとんでもないと、森さんはバッシングを受けてしまった。メディア報道がこのプランを潰してしまったという側面もあるのですが、あの当時は日本の総理がとんでもないということにされてしまった。
そういう経緯も考えると、日本のこれまでの取り組みのまずさも反省しながら、今回のことをきちんと成果に結びつける必要もある。だけど北側に拉致被害者を一括で返してこいと、この前拓也さんも仰っていました、ここを譲るべきではない。拉致に関しては国家の犯罪であるということまで、北朝鮮はある意味認めているわけですから。飯田)何の取引も、本来なら北朝鮮は要求する立場にない。
有本)今の金正恩委員長、この人は拉致という犯罪が行われたときには実際には主導的な立場にはないわけですから、この人の代でキレイに解決することは可能なはずなんです。お父さんの代には難しかったでしょうけど。日本側は拉致問題を最優先として、トランプ大統領と連携してやっていくということで動いているということではっきりしています。
アメリカも拉致被害問題の当事者
飯田)トランプさん自身もいろいろな形で、国連での演説で触れたりしている。一部ではこの間3人帰ってきたから、これでもうトランプさんは拉致から引いちゃうんじゃないかとも言われていましたが、決してそうではない?
有本)この前の人たちというのは、北朝鮮当局に囚われていた機関は短いんですけど、アメリカの拉致被害者、しかもその人たちは朝鮮系ではないですから。この前帰ってきた3人はコリアンアメリカンですよね。そうじゃなくてユタ州から中国を旅行している間に北朝鮮に拉致されたという人がいます。この人はかなり長く向こうにいるということです。ようやくアメリカ側でもこの人の存在は知られてきたし、それから議会でもこういうことを問題にし始めた、という点で、アメリカも当事者なわけですよ。ですからこれを知らん顔するわけにはいかない。
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