米中貿易摩擦は米中の新たな冷戦になりつつある

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6/18 FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

米中貿易摩擦~中国も高い関税で報復の連鎖
7:00~ガチンコ ニュース UP!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

米中貿易摩擦~本気で中国と事を構えようとしているアメリカ

アメリカのトランプ政権は知的財産権の侵害などを理由に中国に対し、7月から1,102品目に25%の高い関税を課すと決定。一方の中国の対応は素早く、5時間後に同様の規模の報復措置を始めると発表。本格的な通商摩擦を招きかねない状況となっている。

飯田)アメリカ側が関税の発動日としているのは7月6日。ここまでに妥協点を模索する可能性もあると思われますが、このまま行くとガチンコでぶつかるということになります。

須田)これは貿易摩擦どころか、貿易戦争に突入していると受け止めていただいていいと思います。経済の側面、二国間貿易の側面だけで見ていたのでは全体の意味するところは見えてこない。どういうことかと言うと、いよいよこれをきっかけにアメリカが中国に対しての包囲網を築こうとしている。中国と本気で事を構えようとしているという流れで見るべきなのだろうと思います。

飯田)貿易とか経済の面のみならずということですか?

須田)米朝首脳会談もそのセンテンスで見るべきなんですよ。単純に核兵器の廃棄ではなく、北朝鮮を間に挟んで、中国との激しい攻防を繰り広げている。北朝鮮サイドをアメリカサイドに引き込むことによって、中国と北朝鮮の離反を目指しているという側面もないわけではないのです。

米中の新冷戦の構図になりつつある

飯田)そうなると、間にいろいろな国を挟みながら、米中の新冷戦の構造になりつつあるといったところでしょうか?

須田)そういう構図になりつつあるし、「適当なところで妥協するつもりはない」という意思表示を今回の関税設置で示したということになるのだろうと思います。

飯田)オバマ政権のときには習近平さんが訪米した際に、「飛行機も買いますし、工場も建てます」と言っていましたけど。

須田)そういうレベルでは収まらないということです。貿易摩擦の観点から見ると、中国の対米貿易黒字、アメリカからすると赤字をどう減らしていくかにばかり注目されがちですが、「ルールの問題も含めて中国がアメリカの意図するシステムのなかに入って来なければ、中国とは袂を分かちます」という意味合いを含んでいる。貿易額といったことだけではなく、知的財産権を巡るルールをどう決めていくのかというところがポイントなのだと思います。

飯田)日本のメディアは80年代の日本とアメリカの貿易摩擦になぞらえて語るむきがありますが…。

須田)まったく意味が違います。そのような構図で見ていくと見誤る可能性が高いと思います。アメリカと日本はあくまでも安全保障のなかで、アメリカのなかに日本は組み込まれていましたから。中国とはまったく違うということです。

飯田)ということはやろうと思えば中国とアメリカは本当にガチンコでぶつかってしまうということですね?

須田)ですから、この問題は間違いなく、安全保障のところにも飛び火してくるということですね。

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