北朝鮮の変化は東アジアにどう影響するのか? 日本のとるべき道は? 

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6月15日  FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

米中が北朝鮮の早期非核化で一致
7:00~ガチンコ ニュース UP!: コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)

今後、北朝鮮を含めて東アジア情勢はどう変化するか

アメリカのポンペオ国務長官は14日ソウルから北京に入り、中国の王毅国務委員兼外務大臣と会談した。会談後の共同記者会見でポンペオ氏は北朝鮮の非核化をできるだけ早期に達成することで合意したと明らかにした。

飯田)北朝鮮への制裁解除は、完全非核化が実現した後になると改めて協調した上で、適切な時期に解除することで王毅氏と合意したと述べたそうです。早期非核化の時期についてなどいろいろと言われていますが、米朝首脳会談の結果も受けてどうご覧になりますか?

宮家)大きな変化の予兆が見えてきたということです。短期的に見ると第1ラウンドは北朝鮮の粘り勝ちです。非核化について何一つ言質を与えなかったのですから。アメリカはとにかく会談を開きたかったということかもしれない。
でも中長期的なことを考えなくてはいけない時期に来ているのだと思います。これからどうなるかわかりませんが、いくつかの悲しい現実があるわけです。
第1は、北朝鮮はすでに核兵器を作ってしまったということ。
第2は、この問題について軍事的に解決することが不可能だということ。
その2つを考えるとこれから何が起きるかを冷静に見なくてはいけない。北朝鮮の問題というのはこれだけではありません。米中の東アジアにおける競争、もしくはある種の対立がこれから激化していく、その1つのエピソードになっていくと思います。

トランプ大統領が意図したかどうかは別として、トランプ大統領が無手勝流で無茶をやったかもしれませんが、その結果、物事が動き始めた。次のラウンドは何かというと北朝鮮の非核化の問題だけではなく、米中が朝鮮半島をどのように取り合うのか、という観点からこの問題を見ていかなくてはいけないと思います。

飯田)北朝鮮が核を持ったということでアメリカと対話ができる、存在を保証してもらえるのではないかとなると、核を持ったもの勝ちみたいなところを世界中に知らしめてしまったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

宮家)北朝鮮の目的はそれなのです。非核化、核の拡散を止めるという観点からいくと、それを止めなくてはいけなかった。ところが残念ながら我々を含めてアメリカは北朝鮮のゴリ押しに対してそれほど多くのオプションがないということです。それが今回、はっきりした。だからと言って北朝鮮の核を認めてはいけないのだけれども、ではそれが本当にできるのか。このあと北朝鮮は考えを変えると言うかもしれませんが、最後まで核という切り札は取っておくでしょう。そのうちトランプ大統領が辞めてしまうかもしれないし、何が起こるかわからないわけですから、北朝鮮はうまくやっていると思います。

ソ連崩壊の二の舞になる可能性も

宮家)北朝鮮が本当に改革をしようとして、経済中心にするということになると…これゴルバチョフさんだってそんなことやったではないですか。ゴルバチョフさんも改革しました。そしてソ連は崩壊した。私はあのように独裁国家というのは下手に改革などすると危なくなると思っているのですよ。

飯田)体制が揺らぐということですか?

宮家)そう。そのことを考えると北朝鮮がどのような動きをするにせよ、アメリカがこれだけの変化を起こしてしまいましたから、1953年の休戦協定以来、積み重ねてきたことが変質をする可能性がある。そのとき、我々はどのようにして日本の国益を守るのかということを考えなくてはいけない時期に来ています。

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