米朝首脳会談~合意文書に曖昧な部分が多いワケ

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6/13 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!①

米朝首脳会談開催~両首脳が共同声明に署名
7:00~ガチンコ ニュース UP!:コメンテーター藤井厳喜(国際政治学者)

金正恩 トランプ 米 大統領 シンガポール 会談 笑顔

会談場所のホテルで笑顔で手を振る北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)とトランプ米大統領=2018年6月12日、シンガポール(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

両国が名を捨て実を取った

飯田)いま、トランプ大統領と金正恩委員長がそれぞれ右と左から出てきました。お互いが手をさしのべて握手をし、肩を抱きます。笑顔を見せているのは金正恩委員長。トランプ大統領も笑顔を見せながら、いくつか言葉を交わしています。ガッチリと固い握手を交わしました……

アメリカのトランプ大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、シンガポールで、史上初の米朝首脳会談を行った。会談の最後には米朝関係改善を目指す共同声明に署名している。

飯田)10秒以上の握手で始まった、史上初の米朝首脳会談。都合5時間にわたっての会談が行われ、共同声明まで出ました。この一連の流れをご覧になって、いかがでしたか?

藤井)アメリカ側から見て、大成功と言っていいと思います。これは、一言で言うと、北のメンツを非常に重視し、トランプさんが金正恩を一国のリーダーとして認めた。そして、北のリーダーがメンツを失わないよう、最終的には核兵器、大量破壊兵器を放棄させるわけですから。これは、やり方を間違えると、場合によっては、何よりメンツを重んじるお国柄ですので、まずいわけです。そういう意味で、アメリカは名を捨てて実を取る方向。
北朝鮮は強いて言えば、実というのは核兵器。それを捨て、名をとる。つまり、北朝鮮から見ても成功です。「自分は小国のリーダーだけど世界の超大国アメリカのリーダー、トランプと1対1で会談して、ローグ・レジーム(ならず者国家)の変な指導者ではなく、ちゃんとした国家の、ちゃんとした指導者と認められた」と、何より世界や国内に示した。トランプもそれを承知でメンツを立てておこうということで、北のメンツを非常に大事に、丁寧にしてトランプさんは外交をやったという印象を持ちました。

拉致 被害者 救出 運動 都議会 議事堂 都政 ギャラリー

都議会議事堂都政ギャラリーで開催された「拉致被害者救出運動」写真パネル展=2018年6月11日午後、東京都新宿区西新宿 写真提供:産経新聞社

曖昧な合意文書から今後を発展させていく

飯田)トランプさんが実を取ったのは、核放棄の部分だと思いますが、これを「曖昧じゃないか」とする批判もあります。一定の評価ができる、ということですか?

藤井)その通りです。これは当たり前で、まず去年の暮れくらいから見たら、「この2人が直接会談して、基本的に自国も含めた朝鮮半島の非核化」というのを、金正恩が首を縦に振る姿は、想像できなかった。そういう部分からすると、これは、非常に曖昧な合意文書が表に出てきた。すべてはここから始まるのです。始まらなければ、今後実務的にものごとを進めようがないので、合意文書には書いてある部分と、無い部分があると思います。書いていない部分が大事です。これは我々には分かりませんが、これからどうやって進めていくのか実務的なことでしょう。そこまで書いてしまうと、金正恩のメンツ丸潰れなのです。だから、そこはあえて書かない。
我々日本人が一番心配だったのは、アメリカがこういう合意文書や口約束だけで妥協することでしたが、それは無かったですね。

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