食卓に再び鯨が上がる日も近いか~商業捕鯨の再開提案

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「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月27日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。日本の商業捕鯨再開と難しい反捕鯨国との交渉について解説した。

食卓に再び鯨が上がる日も近いか~商業捕鯨の再開提案

日本政府が商業捕鯨再開を提案へ

政府は昨日、9月にブラジルで開催される国際捕鯨委員会の総会で、資源が豊富な鯨の種類に限って、一時停止している商業捕鯨の再開を提案すると明らかにした。しかし、反捕鯨国の反対は根強く、合意を得られるかどうかはわかっていない。

飯田)この商業捕鯨再開の提案というのは、2014年以来ということです。そのときは、反捕鯨国の反対で、実現に至らなかったわけですが、今回どうなるか。長年鯨を取ってこなかった資源調整の結果として、かなり増えているという主張もあるそうですね。

高橋)もしそうなのだったら、調査捕鯨は説明ができるのでやりやすいですよね。商業捕鯨は1990年よりちょっと前に停止しましたね。私の世代になると、鯨の竜田揚げが学校給食に出ていた時代なのですよ。凄く沢山食べていたわけです。でもあるときから全く無くなってしまいましたよね。

飯田)私は1981年生まれなのですが。

高橋)それはほとんどもう鯨はない時代ですよ。知らないでしょう?

飯田)鯨は小さい頃にも食べた記憶はないですね。大人になってからですね。

高橋)全く無いので、そうすると商業捕鯨で日本にどれだけのニーズがあるのかを責められたりするかもしれませんね。

飯田)その辺はきちんと理論武装していかないとですね。

高橋)感情でやって結果的に商業捕鯨に乗り出しても、商業的に乗らないとどうしようもないですよね。食の習慣というのも、長い間やっていないから。私の世代なんかだと鯨は美味しいものだけれど、食べたことない人は分からないですから。

飯田)そうですよね。ほとんど流通していないけれど、食べてみれば美味しいし、日本の食文化でもあるのですが。

高橋)文化の話にも絡むので。辛いのは、ノルウェーやアメリカとロシアの先住民を除くと、実はほとんど食べている人はいないのですよね。昔、捕鯨はいろいろな国でやられていたのだけれど、油を採るのが中心だったので食べる文化はないのですよね。牛は食べてどうして鯨は、と日本人は思うのだけれど、そういう文化に染まっている人は、鯨はとんでもないという話になってしまって、議論になかなかならないのですよね。

飯田)どうしてもすれ違いになってしまうと。

高橋)文化の話になると、理屈がないから説得も難しいという世界なのですよね。

飯田)ダイバーシティとか言うのだったら、それくらい認めてくれよと。

高橋)価値観のあるもとでのダイバーシティだから、本当に都合の良いことを皆言うのですよね。

飯田)曰く「人間に一番近い動物なのだから、食べるのは可哀想じゃないか」とかいう意見があったり。

高橋)お隣の韓国も、商業捕鯨をやろうとして断念していましたからね。この問題は根深いので、粘り強く交渉をやってもらいたいですよね。

食卓に再び鯨が上がる日も近いか~商業捕鯨の再開提案

東京湾にも鯨~資源が豊富な証拠?

飯田)一方で船乗りの人に聞くと「けっこうぶつかるんですよ」と。それこそヨットで渡航しようとして、ぶつかって沈没なんてこともありますからね。

高橋)東京湾も出たじゃないですか、鯨。びっくりしましたね。

飯田)ザトウクジラがジャンプしていましたね。

高橋)あんなところで泳がれたら、ぶつかっちゃいますね。

飯田)あそこは船の銀座、みたいなことが言われますからね。そのくらい資源量としては増えているのかもしれませんね。

高橋)それだったら、話として商業捕鯨を打ち出してから調査捕鯨かもしれないですね。

飯田)なるほど、まず高めに商業捕鯨を言って、調査捕鯨の枠を広げると。

高橋)交渉ですからね。それで商業捕鯨がダメなら「ぶつかって事故も多いし」なんて言うと調査捕鯨が落としどころかもしれないし、日本国内の需要を考えるとそれでも良いかもしれないので、柔軟に考えるのが良いかもしれませんね。

飯田)その辺の捕鯨についての外交も、ある意味リアリズムというか。理想と落としどころですね。

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