トランプ大統領は「予測不可能な大統領ではない」という事実

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月2日放送)に自民党参議院議員の青山繁晴が出演。中国の一帯一路をめぐる、アメリカの対応とトランプ大統領の行動原理について解説した。

中国経済圏の拡大阻止へ連携訴えポンペオ国務長官東南アジアを歴訪

アメリカのポンペオ国務長官は今日マレーシアを訪れ、東南アジア3カ国の歴訪を開始する。トランプ政権がインド太平洋地域で、「透明性のあるインフラ整備を支援する」との方針を打ち出し、東南アジア各国を味方に付けて中国が経済圏を拡大する動きにブレーキをかける狙いがあると見られている。

飯田)先月30日に、シンポジウムのなかで、およそ125億円を出して「インフラ整備を支援する」と言っていましたが、一帯一路に対して、ということですか?

青山)このニュースの最大の根っこは、「トランプ大統領は予測不可能な大統領ではない」ということです。評論家や学者の方々は未だに「予測不能」と言っています。ですが、そうではない。これほど予測可能な大統領はかつていませんでした。なぜかと言うと、大統領選挙中に公約したことを全部そのまま、素朴に実行しようとしている。大統領選挙中にいちばん中心で言っていたことは、「アメリカの仕事を守る」で、それは「安い海外製品が入ってこないようにする」ということです。つまり、アメリカの賃金の高い労働を守る、という意味ですよね。

ロシアや東南アジア諸国と友好関係を築き中国を挟み撃ちにしようとしている

青山)ボロクソに言われながらも、なぜロシアと、プーチン大統領と仲良くするのか。ロシアからアメリカにどんどん輸出する物はないでしょう? ロシア車が入ってきたりもしない。ロシアが輸出可能なのは資源だけですが、アメリカは資源大国です。

飯田)石油やシェールガス、シェールオイルですね。

青山)元から石油があるうえに、今度はシェール。輸入の必要がない。だから、ロシアと仲良くして中国を挟み撃ちにする。そして、今度は足下の東南アジアと仲良くして、挟み撃ちにする。ですから、非常に分かりやすい戦略です。ポンペオ国務長官、つまり日本で言う外務大臣の東南アジアに対する接近は、そういうことです。北朝鮮と手を組むのも同じです。中国のカードを1枚剥がしたいのですよ。北朝鮮は中国のカードの1枚とアメリカはみなしているから、それを剥がそうとしている。ところが、北朝鮮はしたたかだったから、アメリカと中国の間で自分を高く売ることを、シンガポール以来1カ月半でやっているのが、いまの姿です。

日本はアメリカと対等な立場で共通の利益を探すべきである

飯田)日本では「中間選挙のためで~」という話が報道されていますね。

青山)もちろん、それもあります。習近平さんや金正恩さんはいつまでもやれますが、日本やアメリカでは、選挙に負けたら終わりですから。それもありますが、もう1度大統領選挙のときにトランプさんは何を言っていたか。「アメリカファースト」です。言っている意味は非常に分かりやすいですよね。実は普通の日本国民でも予測可能な国際政治になっているのがポイントなのです。テレビで難しそうに言っている人の話は、あまり聞く必要はないと思います。

飯田)本質的には、アメリカと中国がこれからぶつかっていくということですね。中国政府のウイグル人に対する迫害について、アメリカのペンス副大統領がかなり強い口調で非難した。「数百万人の方が迫害されている可能性がある!」と言った。この辺も、経済だけでなくいろいろな手を使い、中国に突いていくことになるのでしょうか?

青山)そうです。国家規模で言うと米中は大きなライバルになりますが、アメリカはトランプさんがいろいろかき回してはいても、「自由でいたい」、「選挙で代表を選びたい」というみんなの共通の価値観がある。
中国はそれと違う道を選んでいるわけです。だから、どちらを選ぶのか選択を迫っていて、それは必ずしもアメリカの利益のためだけではない。もちろん利益のためにやっていて、アメリカはしたたかな戦争国家ですが、共通の利益を探そうとしている。そこに日本は、アメリカに付き従うのではなく、対等の立場でやる。アジアのリーダーは日本です。民主主義のリーダーは日本で、アメリカではありません。そこが肝心です。

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