口永良部島に噴火警報 災害警報は避難の判断をわかりやすくしてほしい

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月16日放送)に元航空自衛官で評論家の潮匡人が出演。噴火など災害警報のレベル表記について、専門家と民間人の認識のズレを解説した。

口永良部島に噴火警報~警戒レベル4

気象庁は昨日、鹿児島県口永良部島に噴火警報を出し、噴火警戒レベルを火口周辺規制のレベル2から、避難準備にあたるレベル4に引き上げた。火口から半径約3キロメートルの範囲では、噴火に伴う大きな噴石飛散や、火砕流に厳重な警戒を呼びかけている。これを受けて、観光客が隣の屋久島に戻っている。

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警戒レベルを示す「避難〇〇」表現の意味を民間人が誤解して正しく機能しない場合がある

飯田)レベル4。「避難準備」ですね。いきなりレベルが上がった感じです。

潮)そもそも、レベルはいくつまであるのか。レベル5までです。レベル5は日本語で「避難」と表現されています。ですが、この前の西日本豪雨などで飛び交ったわけですし、その際に過去の教訓なども踏まえ、「避難勧告」の上に「避難指示」の表現もあり、そのことも含めて、例えば「勧告はただ勧められているだけだから~」みたいな、さまざなことも言われてきました。それと対比させると、「避難準備」と聞いても、その上に「まだ避難勧告や指示など、高次元レベルのものがあるのだから、大丈夫だろう」と思ってしまった住民の方もいるのではないでしょうか?

飯田)パッと聞いただけでは「とりあえず動く準備だけしておけばいいかな」みたいな感じですよね。

潮)今回のこの地域では自治体の行動力などもあり、前述のようなこともなく、多くの方がきちんと、まさに「避難準備」をされたということかもしれませんが、だとしても一般論として、ほかの地域で私のようなド素人が「避難準備」の意味を誤解してしまうことは、十分にありえる。
つまり一般住民にとって、本当に避難を準備しなければいけないのか。あるいは、すぐに避難すべきなのか。「自分は高齢者。そろそろ準備をした方がいいかもしれない」みたいなことを、わかりやすい表現で、キチンと警報として機能していくことについて、改めてご検討いただけないかな、と今回のキーワードを聞いていて思いました。

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被害を食い止めるためにももう1度表現を見直していくべき

飯田)スタッフが用意した表によると、「レベル4避難準備」の横に火山の活動状況について書かれています。「居住地に重大な被害の可能性」とあります。もはや準備している場合なのか、という感じですよね。

潮)そういうことです。その下では「重大な被害」が常に発生している。「発生してから避難しても遅いから、その前に準備をしよう」ということなのか。どうもピンときませんよね。

飯田)豪雨のときの避難勧告も、「どちらでもいいか」みたいなイメージですが、実はそうではない。「およそ避難が終わっている」が避難勧告の行政としての認識。そこのズレが、専門家と素人のズレなのかな。

潮)そして、こういうのを挙げて、必ずしも被害が発生しない場合、「空振りに終わった」ということになります。行政機関としては、空振りを恐れずこういう警報は出していくべきだと思います。そうできるように、逆にこの表現も見直して欲しいですね。

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