【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第474回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、9月7日公開の『累 -かさね-』を掘り起こします。
“美醜”をテーマに、“優越感”と“劣等感”を巧みに描いた衝撃作
女性の美醜と狂気を真正面から扱ったストーリーで多くの人に衝撃を与えている、松浦だるまによる「累」。若い女性をターゲットにした“学園ものラブストーリー”とは一線を画す、ダークヒロインの壮絶な生き様を描いた人気コミックがついに実写映画化。女性に響く、新たなムーブメントを巻き起こす話題作であり、超問題作(!?)が誕生しました。
伝説の女優を母に持ち、天才的な演技力に恵まれながらも顔に大きな傷があることに強いコンプレックスを抱きながら生きてきた淵累。一方、類まれな美貌の持ち主でありながら花開かず、女優として大成することに異常な執念を募らせている丹沢ニナ。ある日、累は母親に世話になっていたという男・羽生田を通じてニナと出会う。互いに自分に足りない部分を埋めるように導かれた2人は、母が残した口紅を使って顔を入れ替える決断をする。実はその口紅は、キスした相手の“顔”を奪い取ることが出来る、不思議な力を秘めたものだった…。
1人2役とも2人1役とも言える難役を鬼気迫る演技で魅了するのは、土屋太鳳と芳根京子。国民的な人気女優であり若手実力派としても名を馳せる2人が、互いの演技に共鳴しぶつかり合い、“累”と“ニナ”を体現する様は実に壮絶。鳥肌が立つような熱演は必見です。
さらに累とニナの双方から思いを寄せられる舞台演出家・烏合零太役に横山裕、累の亡き母であり伝説の女優・淵透世役に檀れい、ニナのマネージャー・羽生田釿互役に浅野忠信。華やかなキャスト陣が2人の主演女優をしっかりと支えています。
劣等感と欲望の予測不能なドロドロバトル。本当に醜いのは、顔か、心か? 禁断のテーマがこの秋、あなたに迫ります。
累-かさね-
2018年9月7日(金)から全国東宝系にて公開
監督:佐藤祐市
原作:松浦だるま「累」(講談社「イブニング」KC刊)
主題歌:Aimer「Black Bird」(SME Records)
脚本:黒岩勉 音楽:菅野祐悟
出演:土屋太鳳、芳根京子、横山 裕、筒井真理子、生田智子、村井國夫、檀 れい、浅野忠信 ほか
©2018映画「累」製作委員会 ©松浦だるま/講談社
公式サイト http://kasane-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/