【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1082回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、大ヒット公開中の『天間荘の三姉妹』と『RRR』をご紹介します。
映画館で観たい!『天間荘の三姉妹』 ~大事な人の死が、生きることの大切さを教えてくれる
人気漫画家・髙橋ツトムの代表作「スカイハイ」。そのスピンオフ作品となる「天間荘の三姉妹-スカイハイ-」が、実写映画となりました。
メガホンを取ったのは、ハリウッドを拠点に活躍する北村龍平監督。お互いを「盟友」と呼ぶ2人がつくり上げた、“いのち”についての物語です。
『天間荘の三姉妹』のあらすじ
天界と地上の間にある街、三ツ瀬。この街にある老舗旅館・天間荘は、美しい海を見下ろす山の上に建っている。
切り盛りするのは、若女将の天間のぞみ。その妹かなえは、イルカのトレーナー。2人の母親で大女将の恵子は、逃げた夫を恨みながら暮らしていた。
ある日、謎の女性・イズコに連れられて、小川たまえという少女が天間荘にやって来る。たまえは、のぞみとかなえの腹違いの妹。現世では交通事故に遭い、瀕死の状態に陥っていた。
たまえは「もう一度現世に戻って生きる」か、「天へと旅立つ」かを自ら決断できるようになるまで、天間荘で暮らすことになるが……。
『天間荘の三姉妹』のみどころ
主人公・小川たまえ役は、のん。純粋で天真爛漫。しかし、心の奥底には喪失感を抱えているという天涯孤独の少女を、ひたむきに好演。次女・かなえ役の門脇麦、長女・のぞみ役の大島優子との息の合ったアンサンブルは必見です。
共演は高良健吾、三田佳子、永瀬正敏、寺島しのぶ、山谷花純など、豪華な顔ぶれがズラリ。
そして臨死状態の魂を天間荘にいざなう天界の門番イズコを演じたのは、柴咲コウ。あのおなじみのセリフ「おいきなさい」を、どのように表現しているかにも注目ですよ。
2011年に東日本大震災が発生。原作漫画が世に送り出された2013年以降も、世界各地で震災や災害が起こり、多くの人々が命を亡くしている。そんな現実が頭をよぎり、命の尊さについて改めて考えさせられる本作。
三ツ瀬とは、一体どのような街なのか。そして、天間荘の真の役割とは何なのか。謎がひとつひとつ解き明かされて、すべてがつながったとき、得も言われぬ感動が押し寄せてくることでしょう。
「生きることは大変だけれど、世界はそんなに悪くない」
明日への希望が感じられる、この秋いちばんの感動作です。
コチラも映画館で観たい!『RRR』 ~インド映画、新たな伝説の幕が開ける
日本でも社会現象を巻き起こしたインド映画『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ監督の最新作が、待望の日本上陸。
舞台は、イギリス植民地時代のインド。イギリス軍に捕らえられた少女を救う使命を帯びた男と、イギリスの警察官による友情と闘いを描いたアクション・エンターテインメント。
“人類未体験”の域に入るド派手なアクション、心を震わされる熱い友情ドラマ。そして、キレッキレのナートゥダンス! 全シーンがクライマックスと呼べる熱量に、ただただ圧倒されるばかり。難しいことは考えず、頭をカラッポにして楽しんで。
この記事の画像(全17枚)
『天間荘の三姉妹』
2022年10月28日(金)から全国ロードショー
出演:のん、門脇麦、大島優子、高良健吾、山谷花純、萩原利久、平山浩行、柳葉敏郎、中村雅俊(友情出演)、三田佳子(特別出演)、永瀬正敏(友情出演)、寺島しのぶ、柴咲コウ
エグゼクティブプロデューサー:中島信也
プロデューサー:真木太郎、和田大輔
監督:北村龍平
脚本:嶋田うれ葉
音楽:松本晃彦
主題歌:玉置浩二 feat. 絢香「Beautiful World」(日本コロムビア)
原作:髙橋ツトム『天間荘の三姉妹-スカイハイ-』(集英社 ヤングジャンプ コミックス DIGITAL 刊)
配給:東映
(C)2022 髙橋ツトム/集英社/天間荘製作委員会
公式サイト https://tenmasou.com/
『RRR』
大ヒット公開中
監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
原案:V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
音楽:M.M.キーラヴァ―二
出演:NTR Jr.、ラーム・チャラン
原題:RRR
応援:インド大使館
配給・ツイン
(C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト https://rrr-movie.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/