『耳をすませば』清野菜名×松坂桃李、あの名作の10年後を実写映画化

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1080回】

『耳をすませば』

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シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、10月14日から公開の『耳をすませば』と『向田理髪店』をご紹介します。

『耳をすませば』

『耳をすませば』

映画館で観たい!『耳をすませば』 ~青春映画の金字塔が、オリジナルストーリーを加えてスクリーンに

1989年に柊あおいが少女コミック誌「りぼん」で発表した青春恋愛漫画「耳をすませば」。

読書が大好きな中学生・月島雫が、夢に向かって生きる天沢聖司に思いを寄せていく様子を瑞々しく描いたピュアなラブストーリーは、1995年にスタジオジブリの手によってアニメーション映画となり、多くの観客を魅了しました。

今回実写映画化された『耳をすませば』は、雫と聖司の10年後の物語。オリジナルストーリーを加えた、新たな『耳をすませば』が話題となっています。

『耳をすませば』

『耳をすませば』

『耳をすませば』のあらすじ

図書貸出カードでよく見かける天沢聖司と“最悪の出会い”を果たした、月島雫。しかし聖司には大きな夢があることを知り、雫は次第に彼に惹かれていく。そして雫もまた、聖司に背中を押されて自分の夢を抱くように。

ある日、聖司はその夢を叶えるために、イタリアへ渡ることを決意。離れ離れになっても必ず再び会おうと、2人は誓い合う。

それから10年。雫は児童書の編集者として出版社で働きながら夢を追い続けていたが、思うようにいかず、もがいていた。そして、遠く離れたイタリアの地で奮闘する聖司もまた、決して順風満帆とはいかず……。

『耳をすませば』

『耳をすませば』

『耳をすませば』のみどころ

大人になった月島雫と天沢聖司を演じたのは、次から次へと話題作への出演が絶えない清野菜名と松坂桃李。大切な人を思いやる気持ち、夢への情熱を表情豊かに表現し、爽やかな雫&聖司像をつくり上げました。

アニメーション版のファンにとってはいささか違和感があるかも知れませんが、聖司の演奏に合わせて雫が歌うシーンは、今作ならではの見せ場。特に清野菜名の透き通った歌声は、実に伸びやか。まるで、観る者の心までも浄化してくれるかのよう。

また雫の幼馴染・杉村⻯也役を山田裕貴が、杉村へ恋心を抱いていた雫の親友・原田夕子役を内田理央が好演。10年後、彼らがどんな大人になっているのかも気になるところです。

さらに、中学生時代の雫と聖司に扮した安原琉那と中川翼による熱演も見逃せませんよ。

『耳をすませば』

『耳をすませば』

「やなヤツ!」と連呼する最悪の出会いから、神社での告白、屋上で雫と聖司が約束を交わすシーンなど、原作の世界観を忠実に再現した名シーンの数々が見どころとなっている本作。

とりわけ物語において重要な場所となるアンティークショップ「地球屋」の再現度は、あまりの精巧さと味わい深さに思わずため息が漏れる人も多いのではないでしょうか。

ちなみに、11月からオープンするジブリパークでも「地球屋」が再現されているとのこと。映画を観てから足を運ぶのも一興ですね。

今作で初めて『耳をすませば』の世界に触れる人も、コアなファンも、気になるピュアな初恋の“その後”。是非、スクリーンで見届けて。

『向田理髪店』

『向田理髪店』

コチラも映画館で観たい!『向田理髪店』 ~変わりゆく故郷、それもまた良し

名バイプレーヤーとして映画やドラマに欠かせない俳優・高橋克実が、俳優人生35年にして映画初主演を果たした『向田理髪店』。

舞台は、かつて炭鉱で栄えていた田舎町。過疎化、少子高齢化、介護、結婚難、そして夢を追う若者たちの葛藤を、人情味豊かに描き出しています。

隣近所にいそうな気さくなおじさん“向田さん”と、その周囲の人々が繰り広げるドラマに、あらゆる世代の人がそれぞれの立場で共感できる本作。観終わったあと、ふと自分の故郷に思いを馳せる人も多いはず。

高橋克実と富田靖子が演じる夫婦の醸し出す、ほのぼのとした空気感にも注目ですよ。

『耳をすませば』

『耳をすませば』

『耳をすませば』

2022年10月14日(金)から全国ロードショー
出演:清野菜名、松坂桃李、山田裕貴、内田理央、安原琉那、中川翼、荒木飛羽、住友沙来、音尾琢真、松本まりか、中田圭祐、小林隆、森口瑤子、田中圭、近藤正臣

原作:柊あおい「耳をすませば」(集英社文庫<コミック版>刊)
監督・脚本:平川雄一朗
主題歌:「翼をください」杏(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、松竹
(C)柊あおい/集英社 (C)2022「耳をすませば」製作委員会
公式サイト https://movies.shochiku.co.jp/mimisuma-movie/

『向田理髪店』

『向田理髪店』

『向田理髪店』

■2022年10月7日(金)から福岡+熊本先行公開
■2022年10月14日(金)から新宿ピカデリーほか全国公開

出演:高橋克実、白洲迅、板尾創路、近藤芳正、芦川誠、田中俊介、坪内守、鈴木大輝、永田崇人、重松隆志、運上弘菜(HKT48)、カイラ(カイキンショウ)、ショウきん(カイキンショウ)、佐藤順一、中尾新吾、前田みどり、林田麻里、まこパーティー、矢吹奈子(HKT48)、本宮泰風、筧美和子、根岸季衣、富田靖子

原作:奥田英朗「向田理髪店」(光文社文庫刊)
脚本・監督:森岡利行
主題歌:「全然 変わらない」HKT48(Mercury/EMI Records)
制作プロダクション・宣伝・配給:キャンター
特別協賛:三友通商株式会社
撮影協力:大牟田市、大牟田観光協会、大牟田商工会議所、大牟田商工会議所青年部
(C)2022 映画「向田理髪店」製作委員会
公式サイト https://mukouda.com/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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