『ミニオンズ』シリーズのイルミネーション作品が快進撃を続ける秘密
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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第530回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、12月14日公開の『グリンチ』を掘り起こします。
ひねくれ者だけどカワイイ!? 新たなキャラクターが誕生!
ディズニー、ピクサー、ドリームワークスというハリウッドのアニメーション映画制作会社に殴り込みをかけるかのように、ここ数年、快進撃を続けているのがイルミネーション・エンターテインメント。
『怪盗グルーの月泥棒』(2010年)、『怪盗グルーのミニオン危機一髪』(2013年)に代表される『ミニオンズ』シリーズ、そして『ペット』(2016年)『SING/シング』(2017年)と、これまでに大ヒット作を立て続けに世に送り出して来ました。彼らが生み出す作品は、一体どんなところに魅力があるのでしょうか。
その最大の魅力は、なんと言っても愛すべきキャラクターたち。例えば、イルミネーション作品ではおなじみのミニオンたち。丸みのあるフォルムとクルクルと変化する表情の可愛らしさもさることながら、意味不明のミニオン語を話しながら、お互いに小突き合ったりオナラをしたり。いたずらっ子で悪ふざけが大好き!
決して“お利口”なキャラクターではなく、どちらかと言うと“困ったちゃん”的なキャラクターです。しかしココが、イルミネーション・エンターテインメントの大きな特徴。敢えて悪役や憎まれキャラ、お行儀の悪いキャラクターにフォーカスして、彼らの魅力を最大限に引き出すことで、観客に笑いと共感を与えているのです。
そうした視点から、イルミネーション最新作『グリンチ』を観てみると、主人公のグリンチは実にイルミネーション的なキャラクターと言ってもいいかもしれません。
原作はドクター・スースによる名作絵本『いじわるグリンチのクリスマス』。グリンチは、アメリカではサンタクロースに並ぶ“クリスマスの代名詞”にもなっている国民的キャラクターです。洞窟のなかで暮らし、自分に愛情を注いでくれる愛犬のマックスのことをぞんざいに扱うグリンチは、いつも不機嫌で周囲の人々に意地悪を働くという超ひねくれ者。緑色の体にトレードマークの赤いマフラーを巻いて歩く姿は、ふてぶてしくも、どこか愛らしい印象。
“ひねくれ者なのに世界中の人々から認知されている、愛されキャラクター”というグリンチの不思議な魅力に、共感を覚える人も多いのではないでしょうか。
村人たちの大好きな“クリスマス”を盗むという、グリンチが思いついたとんでもない計画。その行く末や、いかに。そして小さい頃はつぶらな瞳が可愛かったグリンチが、どうしてこんなに“ひねくれ者”になってしまったのか。ハズレなしのイルミネーションが贈る、最高のクリスマスプレゼントを映画館で受け取って。
グリンチ
2018年12月14日(金)から全国ロードショー
監督:ヤーロウ・チェイニー、スコット・モシャー
声の出演:ベネディクト・カンバーバッチ、ファレル・ウィリアムス
日本語吹替版:大泉洋、杏、秋山竜次(ロバート)、横溝菜帆、宮野真守
日本語版イメージソング:Tiny Baby/Perfume(ユニバーサル ミュージック ジャパン)
©️2018 UNIVERSAL STUDIOS
公式サイト https://grinch.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/