工藤大輝が振り返る2018年のアイドル ~「卒業」「解散」~
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【月イチ連載コラム:工藤大輝と偶像音楽論(通算 第28回)】
年の瀬、今年最後のコラムとなります。
2019年を迎えるにあたって、明るくポジティブな内容で…と思ってはいたんですが、思い返せど思い返せど頭に浮かぶのは「卒業」「解散」この二つのワードでした。
今年の初めの記事に「今年もまだまだなんとも難しい状態が続くと思いますが」と書いていたのですが、やはり2018年も思い返せばかなり衝撃的で厳しい現状を叩きられました。
Cheeky Parade
GEM
ベイビーレイズJAPAN
X21
つりビット(発表)
5年〜6年実績があったグループだけでもこれだけの数。皆それぞれがフェスやオムニバスイベントならヘッドライナーを務められるようなレベルの子達。言わば中堅どころが一斉に旅立ちました。
同じくらいの歴で言うとやはり目立つのは乃木坂さん。乃木坂さん自体は現在も大活躍中ですが、一期二期の結成から波に乗るまでの重要な時期を支えたメンバーの相次ぐ卒業が目立ちました。
西野七瀬さん(2月卒業ライブ)
川後陽菜さん
若月佑美さん
能條愛未さん
斎藤ちはるさん
相楽伊織さん
生駒里奈さん
川村真洋さん
いよいよ、オリジナルメンバーで観ることの叶わない楽曲が増えてきました。4期メンバーの活躍を願いつつもやはり少し寂しいというのが正直なところです。
オーディションを受けたりしてアイドルをはじめる平均的な年齢から考えて、5〜6年と言うのは将来を考えるには十分な時間があり、自分の意思でやりたいことも見えてくる年齢に差し掛かることが多いことが要因の一つな気がします。友人など周囲の皆が就職したり結婚したりと状況が変わってくるのを目の当たりにすることが増えるタイミングというのもあるのかなと思います。
大所帯の場合、グループ内での仕事量の差やスケジュール調整の難しさ、やりたいこととやらなければいけないことの優先順位だったりアイデアを実行に移す場合の制約の多さが気になってくるところで、少人数型のグループは、そもそもライブ活動、制作、リリースにまつわる宣伝、イベント出演などでスケジュールが殆どロックされてしまいます。やりたいことに時間を費やすことが難しい。
と、思ってしまうことが問題。
故に、これからのグループは目的のための手段としてアイドルを選ぶ、というよりも、活動そのものが目的になっている人達が残っていく世の中になっていくのではないでしょうか。実際、今年しっかりと地に足ついた活動で、スタッフ、チーム一丸となってブレずに活動しているグループはジワジワと結果を出しつつあります。
来年はそういったグループの動向と共に、全く今までにない新しい形で作られるグループが生まれることを願っています。
未だにCDを売るということ以外で結果を認めてもらうことが中々に難しい業界、そういう部分から変わっていかなければ今までのグループがこの先を見出すのは難しくなってくるんじゃないかと思います
最後に、今年もブレずに少しずつしかし着実にファンと認知を増やしていったグループの、昨日までの時代に感謝を伝えた上で次の先の時代を見据えた、少しだけ前向きになれる一曲を。
ヒューリスティック・シティ / フィロソフィーのダンス
と言うことで今回はこの辺で終了とさせていただきます。次回も楽しみにしていただけると幸いです。