出国税~その使い道は?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月7日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。きょうから徴収が始まる出国税について解説した。

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本日から徴収が始まる出国税~国税としては27年ぶりの新税

きょうから、日本から出国する人に1人1,000円を課す国際観光旅客税、いわゆる「出国税」の徴収が始まる。政府は2019年度に500億円の税収を見込み、訪日外国人客をさらに増やすための対策に充てられる。

飯田)これは日本人の他に訪日外国人客に関しても、出国の際に一律に掛かる税金ということです。航空会社などがチケット料金に上乗せして徴収するということで、発券したときにこれが掛かって来る。きょう出国するにあたっても、以前発券したもので行く場合はまだ税金が掛からないとのことですが、今後掛かって来ますよね。

須田)訪日外国人客も対象になるということですから、この部分が大きいと思うのですが、意外だったのが国税としては27年振りの新税なのですよ。考えてみると、ここ近年日本だけでなく世界的な傾向なのですが、成長産業と言えばIT産業ではなくて、実は観光業なのですよ。各国共に観光業で経済が拡大しているのが一般的な傾向です。そういった成長産業に対して新たに課税して行くのは、税収を上げるという点で言えば王道中の王道なのかなと思います。

飯田)なるほど、儲かるところから取ると。

須田)出国税だけでなくこれは地方税なのですが、宿泊税というものも聞いたことがあると思います。

飯田)いわゆる「ホテル税」ですね。

須田)東京都、大阪府、京都市、金沢市等々の観光で潤っている都市においてはこの宿泊税が掛かるようになって来ているのですが、これは繰り返しになりますが地方税です。広い意味での観光税というところでは、こういった形でこれからどんどん増えて行くのかなと思います。

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出国税の使い道

飯田)年間で500億円の税収。これをどこが取って使うのか、みたいな駆け引きがもういろいろあるみたいですね。

須田)これから拡大して税収の増加が予想されますから、その入り口のところで権限を得ておくのが重要なのですよ。

飯田)きょうの新聞などでも、使い道についていろいろ書いているところもありました。読売新聞では「快適に旅行できる環境整備、多様な情報の提供、体験型滞在の満足度向上」。こうやって書くと具体性がないからいくらでも使えそうですね。

須田)そこに関して言うと、新しい役所にセクションができて、新しい要員が配置されることになりますから、役所としては権限拡大というところで非常に美味しいです。いまの時代美味しいところはあまりないですからね。

飯田)それこそ「快適に旅行できる環境整備」なんて言って、法務省はパスポートコントロールをもっと円滑化するために税収を取ろうとするし、税関はまた別に財務省がいるし。多様な情報の提供だと、経済産業省などもデジタルサイネージをやるなんて。

須田)関わって来ますよね。

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旅客の増加から生まれる問題

飯田)これで観光業が盛り上がれば良いのですが、どうなのでしょう。いまは富裕層ではなく一般層も来るようになって、マナーなどが問題になって来ています。

須田)マナー喚起であるとか、環境美化、それだけたくさんの人が来るとなるとゴミも出て来るのですよ。そういったものの負担を地元自治体に全部押し付けると負担増になってしまいます。プラスの部分もあればマイナスの部分もある。そのマイナスの部分をどう穴埋めして行くのかというところを考えてみるべきです。わけのわからないところではなく、実際に問題の発生している自治体などにお金を使うのがベストだと思います。

飯田)ホテル税を地方税だと須田さんはおっしゃいましたが、民泊だと取りっぱぐれがあるわけですか?

須田)ただ、1万円未満だとほとんど取らないのですよ。簡易宿泊所も対象になっているのですが、ほとんどのケースで1万円未満は対象外ですからね。

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