黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、ホテル評論家の瀧澤信秋が出演。365日、毎日ホテルに宿泊してみてわかったことについて語った。
黒木)今週お迎えしているゲストはホテル評論家の瀧澤信秋さんです。
瀧澤さんは2014年に365日毎日違うホテルにチェックインする企画を実施したそうですね。
瀧澤)ホテル評論家になった年に、自腹で元旦から大晦日まで毎日違うホテルに泊まり続けるというミッションを自ら課しました。
黒木)どこから始めたのですか?
瀧澤)東京から始めました。それまでの仕事を辞めて評論家になったもので、貯金を切り崩しながらのスタートでした。それで、1日5,000円という予算を立てました。1カ月で15万円、年間180万円。交通費入れて300万ぐらいはかかります。途中から訪日外国人のお客様が増えて来て、ホテルの料金が上がって5,000円では泊まれず、ビジネスホテルでも1万円とか2万円となってしまったのです。
黒木)泊まるところがないではないですか。
瀧澤)カプセルホテルやラブホテルに行くようになりました。おかげでいま、ラグジュアリーホテル、ビジネスホテルに加えてカプセルホテルやラブホテルも評論をやっています。
そこでいろいろなことが見えて来ました。
黒木)どんなことが?
瀧澤)ラブホテルを業界では「レジャーホテル」と言います。実はレジャーホテル発祥のサービスが、いまの一般のホテルのスタンダードになっているのですね。
もう1つわかったことがあります。
黒木)何でしょう?
瀧澤)ラグジュアリーホテルに泊まり続けるのはOKで楽しい。カプセルホテルも、泊まり続けると意外に体が慣れて来る。でもダメなのが、ラグジュアリーホテル→カプセル→ラグジュアリーホテルと泊まると、その落差にやられてしまう、「ボンキュッボン」みたいな感じで。ラグジュアリーホテルの広いところからカプセルへ行くと、「あ、狭い」となってしまいます。逆にカプセルからラグジュアリーに行くと、「広い、どこ見て良いか分かんない」となります。
黒木)1年間続けて何が見えて来ました?
瀧澤)これまで、「シティホテル」「ビジネスホテル」というカテゴリーがありましたが、いまそれがクロスオーバーしています。シティホテルなのにビジネスホテルのようだったり。逆にビジネスホテルが進化して、美味しい朝食を出してシティホテル化したり、業態の境目が無くなって来ているという印象がありますね。
黒木)よく毎日違うホテルにチェックインしようなんていう企画を実行しましたね。
瀧澤)年間で372店チェックインしました。
黒木)ちょっと多いですね。
瀧澤)1日2軒チェックインして、夜間に移動します。
黒木)365日372件泊まったのですか?
瀧澤)語呂が悪いので、「365日365ホテル」と言っていたのですが、本当は372件なのです。
瀧澤信秋/ホテル評論家■長野県上田市出身。
■法律事務所、会計事務所等の勤務を経て、経営コンサルタントの会社を設立。
■2000年頃から各地への出張の折に利用したホテルの宿泊レポートをブログで執筆。
■2007年頃からメディアからの取材対応をはじめ、「ホテル評論家」として活動。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底し、数多くのメディアに出演。
■評論対象はラグジュアリーホテル・デラックスホテルをはじめ、ビジネスホテル、簡易宿所(カプセルホテル・ゲストハウス・簡易宿泊所)、レジャーホテル(ラブホテル)など多業態に渡り、ホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。
■2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践し372ホテルへチェックイン。「365日365ホテル」としてホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓。そのほか旅のエッセイなど著書多数。
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