2回目の米朝首脳会談~開催しなければならないそれぞれの事情

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月21日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。2回目の米朝首脳会談開催に向けた両国の事情について解説した。

2回目の米朝首脳会談に向けた実務協議開催

昨日、2月下旬の米朝首脳会談に向けた実務協議がストックホルム近郊で始まった。北朝鮮の具体的な非核化措置や、北がアメリカに求める見返りも議題になっている可能性があり、日本や韓国の当局者も現地に入って米朝との接触を試みている。

飯田)スウェーデンのストックホルムの近郊で始まった実務協議ですが、20日から始まって22日にかけて行われる予定です。日本からも金杉アジア大洋州局長が現地に入っているということです。

須田)2回目の米朝首脳会談ということもあって、どうやって目に見える形で結果を出すのか。1回目を受けて米朝が水面下で協議を進めて来たけれど、何の結果も出ていませんよね。とは言え、アメリカにとってもトランプ政権が3年目を迎えているにも関わらず、内政はともかく外交の分野ではほとんど実績が残せていないという状況を受けて、唯一成果らしい成果が米朝首脳会談くらいなのですよ。ただこれは非核化という結果を出さなければなりません。そのなかでトランプ大統領としても、そこへすがらざるを得なかったのかなと思います。
北朝鮮側の事情ですが、かつての金正日体制の頃の北朝鮮といまの金正恩体制は全く似て非なるものだということを、大前提としてご理解頂きたいのです。金正日体制のときは「武士は食わねど高楊枝」で、自らの立場と北朝鮮尊厳を守るために経済は二の次だったのです。だから経済的に疲弊していても、譲歩できないところは断固としてしないという、かつての日本の武士のようなやり方をして来ました。

飯田)当時は先軍政治と言われました。

金正恩体制は経済重視に変化~制裁解除なければもたない北朝鮮

須田)それが、いまは金、金、金なのですよ。ですからいちばん接触している韓国に対しても金銭的な要求がもの凄く過剰だと、韓国の当局者から聞いています。ですから、北朝鮮としては米朝首脳会談が開かれれば、そういった経済支援や援助、経済協力が湯水の如く入って来るものだと韓国が甘言を弄していたのではないかと思います。しかし、結果的に国連の制裁決議は何ら解除されていないし、もちろん瀬取りという形で少しは入って来ますが、それ以上はないという状況ですから経済的には相当疲弊している。もはやいまの国内の経済情勢からすると北朝鮮は市場経済が導入されていて、物質的な豊かさを国民が気付いてしまっているのですよ。その要求に答えていかなければ国内がもたないことを金正恩は知っていますから、経済で何らかの見返りを求めています。それが第2回目で提供されるのかと言うと、恐らく難しいのだと思います。

飯田)実務は詰めているけれど、おいそれと国連制裁などを解除するわけにはいかないですよね。

須田)核ミサイルの開発に関して具体的な形で北朝鮮が計画を中止、放棄することが目に見えて来ない限りは、国連の制裁決議は解除できません。その綱の引き合いになります。しかし核ミサイルを簡単に放棄してしまえば北朝鮮は丸裸になって行くわけですから、それをやった段階でアメリカなどに良い様にされてしまったら、北朝鮮としてもたまったものではないです。

飯田)その辺りはリビアの例などを見ているわけですね。

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