【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第570回】
さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は、2月22日から公開の『翔んで埼玉』を掘り起こします。
もう「ダさいたま」なんて言わせない!
埼玉から東京に行くには通行手形がいる! 埼玉県民には、そこらへんの草を食わせておけ!!…などなど、過激な“埼玉いじり”が衝撃的なインパクトを放つコミック「翔んで埼玉」。「パタリロ」で知られる魔夜峰央が1980年代に連載していたギャグ漫画で、2015年に宝島社から新装版が復刊されると、SNSで大反響を呼び、約30年の時を経て大ヒットを記録。
そんな禁断の“埼玉ディス漫画”が、まさかの実写映画化! 原作者の魔夜峰央氏さえも困惑を覚えるほどの“衝撃”が、全国を駆け巡っています。
その昔、埼玉県民は東京都民から、それはそれはひどい迫害を受けていた。通行手形がないと東京に出入りすることさえできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されてしまうため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた。そんなある日、東京の超名門校・白鵬堂学院で、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、生徒会長として君臨する都知事の息子・壇ノ浦百美は、自らの運命を大きく変える男と出会う。
彼の名は、麻実麗。容姿端麗でインテリなアメリカ帰りの転校生だ。互いに惹かれ合う2人だったが、実は麗は隠れ埼玉県人で、手形制度撤廃を目指して活動する埼玉解放戦線の主要メンバーだった…。
ダブル主演を務めるのは、二階堂ふみとGACKT。漫画の世界観そのままの本気度あふれる壮麗なコスチュームもお似合いで、これ以上のキャスティングは考えられないほどのハマりっぷり。
これぞまさに、本気の“大・茶番劇”! 随所に散りばめられた埼玉県の自虐ギャグ、そして千葉神奈川をも巻き込む抗争(?!)に、ニヤニヤが止まらないこと必至です。
埼玉版「ロミオとジュリエット」とも呼べる愛の逃避行と、埼玉県解放を成し遂げるべく戦いを挑む者たちの一大スペクタクル。その底辺にあるのは、壮大かつ大真面目な郷土愛なのです。もう「ダさいたま」なんて、絶対、言わせませんよ。
翔んで埼玉
2019年2月22日から全国ロードショー
監督:武内英樹
原作:魔夜峰央「このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉」(宝島社)
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:はなわ「埼玉県のうた」(ビクターエンタテインメント)
出演:二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介、ブラザートム、麻生久美子、島崎遥香、成田凌(友情出演)、中尾彬、間宮祥太朗、加藤諒、益若つばさ、武田久美子、麿赤兒、竹中直人、京本政樹
©2019映画「翔んで埼玉」製作委員会
公式サイト tondesaitama.com
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/