この潜入捜査、極めて危険で奇想天外!

By -  公開:  更新:

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第588回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、3月22日公開の『ブラック・クランズマン』を掘り起こします。


ブラック・パワー炸裂! スパイク・リー監督が放つリアル・クライム・エンターテインメント


1979年、アメリカ・コロラド州。コロラドスプリングスの警察署で初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。署内の白人刑事から冷遇されながらも捜査に燃える彼が目をつけたのは、何と、過激な白人至上主義団体 KKK(クー・クラックス・クラン)のメンバー募集が掲載された新聞広告。自ら黒人でありながら、電話で徹底的に黒人差別発言を繰り返し、入会の面接まで進んでしまう。

問題は、ロンは黒人であるため、KKKと対面することができないこと。そこで白羽の矢が立ったのが、同僚の白人刑事フリップ・ジマーマン。電話はロン、KKKとの直接対面はフリップが担当し、KKKの内部調査と彼らの行動を見張るという任務を遂行する。果たして、この型破りな刑事コンビは、大胆不敵な潜入捜査を成し遂げることができるのか…。


第71回カンヌ国際映画賞で、最高賞パルムドール賞を獲得した『万引き家族』の次点となるグランプリを受賞。また第76回ゴールデングローブ賞においては、作品賞をはじめ、監督賞、主演男優賞、助演男優賞にノミネート。

そして第91回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞、作曲賞の6部門にノミネートされ、脚色賞を受賞。本年度の賞レースを賑わせ、スパイク・リー監督に悲願のオスカーをもたらした『ブラック・クランズマン』が、ついに日本公開となりました。


黒人刑事と白人刑事のコンビが協力して“二人一役”を演じながら、KKKへの潜入捜査を試みるという意外性抜群のストーリーですが、実話がベースとなっている本作。同名ノンフィクション小説を、スパイク・リー監督が大胆に脚色。

人種差別問題が過熱するアメリカを背景に、当時、流行したブラックミュージックやブラックカルチャーを取り入れながら、KKKへの潜入捜査をコミカルかつ軽快なタッチで描く、リアル・クライム・エンターテインメントに昇華させました。


そんななかでも圧倒されるのが、ラストに畳みかけるように繰り広げられる“アメリカの現実”を露わにした映像の数々。シニカルなユーモアを交えながらエンタメ性の高い作品として構築しながらも、本当に伝えたいことはストレートに伝える“スパイク・リー節”は健在。その緩急自在な作風は、アカデミー賞脚色賞に相応しいと言えるでしょう。スパイク・リー監督の真骨頂とも言える、痛快さに満ちた1作です。


ブラック・クランズマン
2019年3月22日(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本・製作:スパイク・リー
原作:ロン・ストールワース(「ブラック・クランズマン」パルコ刊)
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライバー、トファー・グレイス、コーリー・ホーキンズ、ライアン・エッゴールド、ローラ・ハリアー、ヤスペル・ペーコネン、アシュリー・アトキンソン、ポール・ウォルター・ハウザー ほか
©2018 FOCUS FEATURES LLC, ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト https://bkm-movie.jp/


八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

Page top